第10話

い、いやダメだ、俺。

理性を保て...!

ここで性的欲求に負けたらもともこもない、気がする...!


極めて近距離。


「ねぇ、お兄ちゃん、キスして...?」


俺は理性崩壊の寸前。

キスをせがまれたら、もうたがが外れそうでヤバイ。


思わず顔をはならかす。


トントン...!


ノックの音が響き。


妹は我に返ったんだと思う。


俺もその音に冷や汗がだらりと額から垂れた。


母親が部屋のドアを開け、


「シンジ。あんたが入らないんなら

私が先にお風呂、入るわよ?」


「あ、いや、、」


「そーよね、私の後じゃ時間かかってあれだから、先に入りたいわよね?」


「う、うん...」


「だって、眼鏡外してるし、、

入ろうとしてたのよね?」


「そ、そうなんだ!今、これから

階下に降りようとしてて...!」


俺は立ち上がり、

大慌て、部屋から出た。


母親の横を通り過ぎて。


階段を勢いよく駆け下りたんだ。



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