はじめまして?


何度か来ている中で今日が一番新鮮だった。

「ただいまー」

「おじゃまします…」

真中の部屋に入ってソワソワしながら聞く。

「今日、弟は?」

「え?まだ学校じゃない?土曜日会えるじゃん。そんな気になる?」

「え、別に!」

すげぇ気になる。あんなこと言われたら会ってみたくなるよ。

適当にいつものようにゲームを始める。

途中から夢中でプレイしていたらしい。

「三春!見てないで、おいで」

真中の声でドアの方を見る。

「邪魔じゃない?」

「いいから」

声に反応してゆっくり部屋に入ってくる。

う…!?

「はじめまして、真中三春です。お兄ちゃんがお世話になってます」

礼儀正しいが声の質はまだ幼い。

トーンが高くて声変わりがまだなのが分かる。

しかも顔も可愛い!

「あ、どうも…えーと、志々雄真琴です」

やべぇ、全然会話にならん。

何言ったらいいんだ?

「三春、せっかくだし、お話するか?お兄ちゃん、三春の部屋で寝てるからさ」

「うん!お話する!」

え?ちょ、まじかよ!

この子と2人っきりにさせんなよ!

いきなりは心の準備が…。

「志々雄、頼むな。まじで寝てるから」

「え、嘘…」

人んち来て、呼んだ人が居ないってありかよ!?まじ丸投げじゃん!

「遊びたいって思ってくれたんだよな?ありがとな。俺も1度会ってみたいって思ってたんだよ」

「…まことさん」

「ん?」

か、かわいい…!まことさんって!

上目遣いにこっちを見るな、唇ちっせぇ、やべぇ、興奮してきた…落ち着け…。

「まことさんって、幼女趣味ですか?」

「…あ?」

いま、なんて?

「ごめん、聞こえなかった…」

「…まことさん、僕が知識のない子供だと思ってます?僕の兄はあれですよ?知識は全部兄が教えてくれました。さっきのは適当に言いました、すいません…」

「いや、分かった、子供じゃないんだな、だったらなんで」

「好きです」

「は?」

「好きなんです、まことさんが!」

「いや、急やな」

「なんで急に関西弁なんですか」

いやいや、おかしくないか?

急すぎるだろ、だって…会ったばっか…。

「おかしいだろ!急に好きとか!年齢考えろよ、年上に夢見てるだけだろ!そもそも俺は男だ」

「…真琴さん、それ貴方が言うんですね…僕にとってははじめましてじゃないこと忘れてませんか?ずっと見ていたんですよ、兄に頼んでまで会おうとした僕を、冗談で終わらせて逃げるんですか」

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