第88話 全体コラボの内容を考えるつもりだった

 夏休み中に最低一回は全員でコラボしたい。

 一期生と二期生の対決や、三期生の歓迎コラボに続く全体コラボ。

 できれば世間一般における夏休み期間が終わるまで毎日みんなで配信したいところだけど、さすがにそれは無理がある。

 まぁ、当然ながら全員のスケジュールを把握しているわけではないので、具体的な回数や日程はあたし一人で考えても意味がない。

 いま考えるべきは、全体コラボの内容についてだ。


「う~ん」


 ベッドでゴロゴロしながら、いろんな案を頭の中に浮かべる。

 クラフトゲームやレースゲームで賑やかに遊ぶのも楽しいし、会社のスタジオを借りてタコパというのも選択肢の一つだ。

 みんなで遊びに行って、その時の感想を話すというのも一定の需要がある気がする。

 そう言えば、三期生歓迎コラボの時に全員で遊びに行こうって話題で盛り上がったっけ。

 プールに行くとなれば、新しい水着を買わないと。

 他に候補として挙がっていたカラオケや焼き鳥屋さんも、同じ日に行けないことはない。

 となると、全体コラボで一回、遊びに行くので一回、最低二日分は全員のスケジュールを合わせる必要がある。

 でも全体コラボはできれば三回ぐらいやりたいし、みんなで遊びに行くのも夏の間に一回だけというのは少なく感じてしまう。


「……よし!」


 あたしはガバッと起き上がり、そのままの勢いで部屋を飛び出した。

 隣の部屋をノックして、返事と共に中へ入る。


「ミミちゃん、いま時間ある?」


「はい、大丈夫ですよ」


「イチャイチャしたい!」


 時間に余裕があることを確認するや否や、欲望丸出しの要望を口にした。

 コラボ内容については、一人であれこれ考えすぎず、みんなで話し合って決めればいい。

 とりあえず今日はお休みだし、ミミちゃんとのスキンシップで体と心を癒やすことを優先する。

 二つ返事での快諾を貰った瞬間、あたしはミミちゃんをベッドに押し倒した。

 おもむろにキスをしてぷるんとした唇の感触を楽しみつつ、ギュッと抱きしめて体の温もりを堪能する。


「ユニコちゃん……いっぱい、触ってほしいです」


「っ!?」


 ミミちゃんの口から飛び出た大胆極まりない発言に、驚愕のあまり言葉を失ってしまう。

 あたしは頻繁に「おっぱい揉ませて!」とか「エッチしたい!」なんてことまで恥ずかしげもなく言うけど、ミミちゃんがこんなに直球で求めてくれるのはなかなかに珍しい。


「う、うん、もちろん!」


「ふふっ、ありがとうございます」


 ミミちゃんは照れて頬を赤らめつつも、心底嬉しそうに微笑んだ。

 休日を利用して全体コラボの内容を詰めるつもりが、まさかこんな展開になるとは。


「もしかして、コラボウィークであんまりイチャイチャできなくて寂しかった?」


「正解です。そんな状態でユニコちゃんがあんなことを言うから、もう我慢できなくなっちゃいました」


 あんなことというのは、先ほどの「イチャイチャしたい!」という言葉に違いない。

 コラボウィーク中もなんだかんだでイチャイチャしていたし、スノウちゃんとコラボした日には激しめのエッチも堪能したけど、確かに普段と比べたら二人でいる時間は少なかった。


「なるほどね~。それじゃ、ミミちゃんが心から満足するまでたくさんかわいがってあげるっ」


 この宣言通り、あたしはミミちゃんが予定している晩酌配信の開始三十分前まで休むことなく、体の隅々まで愛し尽くした。

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