第9話

 今日もとある喫茶店の日常が過ぎていく。


 その爺さんはいつも決まった時間にやってくる。


 いつも同じ席に座り、同じオーダーをして、


 何かを懐かしむようにしながら眺めていた。


 ふと覗くとそこには少年と一緒に写る男の姿があった。


「若い頃に倅と撮った写真さ…」


 しみじみ呟くと爺さんは席を立ち静かに店を出て行った。


 カランコロン


 だからたまには金払ってけよ、親父…。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る