二度寝

 寝心地が、悪い。

テントで寝ることには、結局慣れることはなかった。

だからだろう、よく目が覚めてしまうんだ。

「…………。」

彼女は……寝てる。それじゃ起こさないようにしないとな。

ここは、森の中に構えたキャンプである。『街』から持ってきた。もちろん盗んでなんかいないさ、盗めやしないさ。

さて、せっかく目を覚ましたんだ。今後の予定と、今までについての謝罪を行おう。

謝罪は、二つある。どちらも『彼女』にまつわるものだ。

 まず一点、彼女の身体カラダについてだ。

一言でいえば、全裸だった。そう、全裸。

これについては出会った当初から分かり切っていたことだ。

しかし、彼女は動じない。だから話題にすら出さなかったのだ、失礼だしな。

この問題について当方は、一度『街』の方に戻って服を調達するほかないだろう。

 続く二点目、彼女の右腕についてだ。

彼女の右腕は————信じられないけれど、人間のソレではなかった。

鉄と油と技術で編み込まれた片腕。

それを一言で表すなら、鋼鉄腕こうてつわんだ。


そしてまた俺は深い、不快、まどろみに誘われて、まなこを閉じた……

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