ショートショートなぜか劇場

STキャナル

「見て、これ」

　妹の芽衣奈（めいな）が、コップを見せてきた。

「これ100円なんだけどね、ガラスをリサイクルしてできたコップなのよ」

「ガラスをリサイクルして、ガラスのコップができたの？」

「そう、そう」

　上機嫌に語る芽衣奈だったが、次の瞬間、彼女の顔の周りを一匹のハエが飛んできた。

「キャアッ！」

「ガシャアアアン！」

　苦手な虫に驚くあまり、芽衣奈はコップを落としてしまった。

　床の上でコップは粉々に砕け散り、芽衣奈は哀れな表情でそれを見つめるしかない。

　それを見た僕は思わずこうつぶやいた。

「またリサイクルからやり直しか」

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。（ログインが必要です）

新規登録で充実の読書を

マイページ: 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる; 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める; フォローしたユーザーの活動を追える
通知: 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴: 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい