花鳥風月編 風
叶った夢と届くことのなかった想い。
あの日、風の中でつかんだと思っていたものは幻。
恋はまるで時間という風に乗って流れる雲
必死で探せば見つからず、
心に広がれば不安にかられ、
気付けばそこにいて、
捕まえたと思えば、
雨となって瞳から流れ落ちる。
あの日、あの
乾くことなく私の手に握られたまま。
どうか、この雨粒が、もう一度雲になりますように。
私が冷たくなる前に。
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