世界を救うのは今度にしないか
くまで企画
プロローグ
なにも見えない――漆黒の闇のなか
低い、とても低い声だけが響いている。
「――貴様は用済みだ」
くつくつと笑う声。その姿は見えない。
己の身体すらよく分からない状態だ。
ただただ水中を漂うように、感覚がぼやけている。
意識はといえば、冴えわたっている。
はっきりくっきりと分かる。
死が、すぐそこにある。
暗闇のなか、俺はゆっくりと意識を手放した。
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