シカイゾク:時の遺伝子
degirock
多分、42回目の生まれた日。の前夜
眠っているという状況を理解できている辺り本当に眠っているのかどうか怪しいもんだったが、全身くまなく動かせそうな部位を探しても欠片も見つからないと言う事は体は完全に眠ってしまっているんだろう。
別に今更驚きもしない。よく見る夢がまた始まるんだろうから。
どこで、いつで、誰かも分からない、映像も無い夢が。
「どう…てカ…ゾクって…うの?」
「あん? 決…ってん…ろ」
低い
誰かが強風の中で
「目を開け! 前を見ろ! 大気を感じろ! 何が広がっている? お前にとって世界とは何だ!? 俺達は─────」
聞こえていなかった訳じゃない。暗記しきってしまったシーンを脳が勝手に省略してしまうのだろう。
時間にして数分の夢。
覚えていない、空白の自分の記憶。
(第1章へ続く)
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます