第38話邂逅、そして会敵の朝✗38
「さあ、それでは始めよるとしようか。キルエリッチャ・ブレイブレド隊員。お前には倫理や道徳やそれ以前に、教え込まなければならないことがある。まず最初に、その自分の欲望と煩悩を最優先で実行してしまう五体に叩き込まなければならないことがある。その桃色の花畑が展開されている脳内に、刻み込まなけれならないことがある。先ほどの一件、お前のひと言で、私はそう確信した。それが何か解るか? キルエリッチャ・ブレイブレド隊員? いや、応える必要はない。何故なら答えは初めから聞いていない。お前には、そのようなものは求めていない。ふむ、ならば最初から訊くなというところが、お前の本音にして本心か? どうした? 違うのか? いや、違うまい。そのように鳩が豆鉄砲を食ったような顔をしておいて、違うなどとは言えんだろう。しかし、お前がそのような
ヴァルカ隊長、あなたのことは尊敬し、敬意の念を抱いています。
いまのお話にしても、私のことを
いくつか本当に口で言いたいことはありますが、ここは黙って耐えましょう。
けれど最後だけは違います。
最後だけは解ります。
私が最後に浮かべた顔は、「もうお願いですから勘弁してください」です。
どうしてひとは、自分の一番の望みこそ叶わないものなのでしょうか。
ああ、そうか。
これが隊長の仰った、自分と他人、その認識の齟齬からくる悲しい
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