眩いばかりの落日が、枯れ葉を透かしながら山々に漆黒の訪れを告げている。この峠に、どのような経路けいれで辿り着いたかなどはどうでも良いことだ。ただ遠い昔、子供の頃から脳裏に焼き付けられていたのであろう、初めて見る景色ではない。


そうだ此処は、こどもの頃に遊んだ裏山。

冬になると険しく細い山道は枯れ葉で埋め尽くされ、道の窪みに貯まった枯れ葉の中に飛び込んで遊んだ記憶がある。


小一時間程かけて登って行くと山の頂きに着く。


逢魔が時、そこから見える海に沈む夕日が、こどもながらに素晴らしく思えたものだ。



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