朔の夜に

念う新月。

裏を返せば朔、失意の暗闇。


誰かが笑い誰かが泣く、

そんな夜がまたやって来る 。


月のない夜はやけに星が近い。


一筋の流れ星を合図に

満天の星々が歌い出す


脳内に静かに響くのは

ペールギュント『ソルヴェイグの歌』


冬が過ぎると春は急ぎ足で去り

夏が行けば年の終わりを迎えるだけ

でも私は信じている

いつかあなたは私の胸に帰ってくると

私は待ち続ける約束したから



流れた星は、誰の涙か……




『幸せにお成りなさいな』


ふと、懐かしい声が聞こえた気がした。

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