第14話

「うっ、何か何時もより強くない?」


コウモリの魔物を剣で殺しながら他の二人に問う、


「分かるわ、何か魔法の効果が薄いの、何時もの2倍は魔力を消費してるし」


「農の盾も結構ヤバイ感じでごわす、しかもこの荷物持ちは強化できない言ってるし」


っち、マジで何だよ


それと、その役立たず荷物持ちはと言うと


「あっ,リクさん、そんなに早く進まないで下さい!」


っち、おっせえんだよ


「おいっ、お前腐っても元S級だろうが!どうしてもっと早く歩けねーんだよ!て言うか補助魔法使え!」


「いやいや、俺荷物持ちだって言ってんだろ、魔物は全く倒さないからレベルが上がり辛いんだよ!

て言うか付いて来て欲しいならそのスピード上昇が付いてる靴を一足俺にくれ!

それと補助魔法と武器強化が使える荷物持ちは居ないぞ、全員報酬金が高い魔法使いになってるから」


「ふん、全く使えないわね」

「そうでごわすね、ロベルはぎりぎり付いてこれてたでごわす」


ったく、ロベルにも劣るとは、こいつ何か不正したのか?実は元F級だったりして


俺らは今ダンジョンの探索中だ

難易度は中の上位だけどまだボスのレベルが分からないから偵察に来させられた、


一般人の安全の為だとは言ってるけど、ぶっちゃけ弱い人の事何てどうでも良い、俺はギャラが良いから来ただけだ


それなのに、荷物持ちは遅いし弱いし、それに何時もの半分の力しか出ない様な気がする


「まあ良い、一旦ここで飯にするぞ」

「分かった、何を持って来たの?」

「魚なら何でも良いでごわす」


そう会話しながら飯の支度をしてると素材集めをしていた荷物持ちが戻って来た


「何やってるんですか?」

「何って、昼飯..................ああ、そういう事か、安心しろお前も残ったら貰えるから」

「いやいや、俺が貰う割合も変だけど、その前に魔物避けの魔道具は何処ですか!」


そんなもん買う馬鹿もいるのか?


「そんなもん必要ねーだろ、お前が結界張れば済むし」

「無理ですよ!そもそも結界張れるなら荷物持ち何てやってません!」

「「「は!?」」」


何言ってんだコイツは!?結界が張れない荷物持ち見た事が無いのだが、ロベル以外の荷物持ち見たこと無いか


「"は!"じゃ無いですよ!俺の前に居たロベルって何者ですか!アイテムボックス、結界、補助魔法そんなに凄いスキル持ってる荷物持ち居ませんよ!」

「まって、回復魔法位は使えるわよね」

「料理魔法も操れるでごわすよね?」

「料......回復魔法.............」


そう言い残して彼は気を失ってしまった、


何で?ロベルにやらせてた事言っただけなのに?ロベルが強かった......事は無い、よな?


◇◇◇◇◇

「なあ、コイツどうする」

「ここに残して死んだ事にしようよ」


うーん


「それはやばいでごわすよ」

「ああ、ちょっと考えたけど俺も一郎と同感だ、一度王の所に戻ってコイツ以外の荷物持ちを頼まないと」

「はーい」


と言う事で出発!

まだ気を失っている荷物持ちを背負って王城に戻る、


ダンジョンのボスをまだ見てないけど.......まあ良いよね、見た事にすれば金貰えるし


ダンジョンを出て、スラム街と臭い道を通り王城前に付く、

いつ見ても汚いなこの街、

門の前の兵士に事情を伝えた後、俺らは王の所に向かった


「ん?そやつは何故寝てるんだ?」

「実はカクカクしかじか」

「ふむふむ、全く持って全然分かんない、ネンフル語を喋べってくれ、それともそれがお主の前世の言葉なのか?」


いやいや、俺転生者だけど前世の記憶無いから、あると言えばビックリしたときにaille!とかc'est quoi ce truc!とか叫ぶだけ..........まじどう言う意味なん?


「あっ、すんません、ふざけました、そいつロベルにさせてた事言ったら何か気を失ったんすよ」

「うん、何で?」


いや、俺に聞かれても....


「それで、そいつはどうする?正直そいつは要らないぞ」

「そうよ、私達そんな役立たず要らないわ!」

「元のパーテイに戻せ!」

「うん、分かった」


本当に大丈夫なん?また戻って来たらしばくかんな!


アニャと一郎もおんなじ事を思ってるみたいだけど


「どうするでごわす?」

「宮殿の誰かに頼む!えっへん」


何が"えっへん"だ!この国いつか滅ぶぞ!おいっ!

アニャと一郎も微妙な顔してるし



もしこの国が滅び始めたら他国に逃げよう、うん、そうしよう


「そうだ、お主らに来てもらって助かる、実は最近魔界付近に凄く強い亜人が住んでいると言う情報が入ったのだ」

「えっ!もしかして犬族!」

「えっ、まじ?!嫌なんですけど」

「断固拒否するでござる」


犬族か.......あんな化けものもう戦いたくねーな、あんな負け方したし


「は?違う違う、犬族の者では無い、儂もそう思ったがどうやらそれは絶対に無いらしい、それに犬族がそんなに簡単に見つかる訳無いだろ」


あちゃー、俺ら偶然見つけたんだよな........まあ言わ無いけど、


この国の人の寿命が伸びたら困るし、平民が選ばれし者より長生きするなんて、有り得ない!


「分かりました、じゃあ明後日出発します、なので荷物持ち、居無ければアイテムボックスのスキル持ちの人を一人下さい!」

「分かった、安心しろ、ちゃんと部下にさせるから」


うん、全く安心出来ないのだが


て言うか自分でやれ


そう思いながら振り返ると王が呼んできた、まだ何かあるの?はー


「聞き忘れておったがダンジョンのボスは何じゃったんだ?」


あっ、忘れてた...........適当でいいや


「はい、雑魚でしたね、Eランクでもクリア出来ますよ」

「おお、有難うな、お金はギルドに置いておくから、明日でも取りにいけ」


っしゃあ、嘘ついたけど.......まあ、人が死ぬ訳じゃ無いし良いよね、どうでも良いけど。


「はーい、じゃあ行こうリク、今日ご飯抜きだったし久しぶりにお店で食べたい!」


ああ、確かに、最近ロベルの料理だけだったしな、たまには美味い料理が食いたいぜ


「よし、じゃあ今夜は店で好きなもん全部食うぞ!(金は.........店長脅せばどうにかなるだろう)」

「やったー!」

「ゴチになります」

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