(二)-4

「わざわざ会って話すって、そんなことだったのか?」

「そうよ」

「だったら署で話したのに」

 実際には、話してやれることは「わからない」という返答だけだが。

「仕事じゃないのよ。ちょっと気になって」

「また、なんで」

 監察課は警察庁にあり、警察庁内と各県警本部内の監査を行う。不正行為や労働環境などのチェックを行うのだ。その監察課にいる法子が、そんなことに興味を引かれる理由に見当がつかなかった。

「比寄組って、あなたが今いる川居警察署管内を縄張りにしているんでしょ」


(続く)

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る