(二)
松ヶ浦法子は電話を切ると、今度は白沢正義に電話をかけた。
「今度、会って話ししない?」
「いいよ。俺、今、崎玉にいるからさ、こっちに来てくれるか」
「いいわよ」
詳しい日時はまた連絡すると伝えて、法子は電話を切った。
白沢正義とは学生時代に付き合っていた。公務員試験に受かった後に別れた。たまに連絡を取ることがあったけど、直接連絡したのは久しぶりだった。その元カレが、比寄組の地元の所轄署に勤めているのだ。何か聞けるかもしれない。法子はそう期待していた。
(続く)
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