(二)-5

「そうするのが一番いいんだから」

「あなたのためなのよ」

「もっと努力しなければダメよ」

「お友達に追いつけなくなっちゃうでしょ」

「なんでできないの? 真面目にやっているの?」などだ。

 結局、高校受験では音大の附属高校を受験した。でもまたも合格できなかった。僕は地元の公立高校に進学した。ピアノと受験勉強の日々はその後も続き、今も続いている。

 そしてこの日を迎えたのだった。


 一通り怒られた後、ママは仕事に行くために先に会場を後にした。僕はピアノ教室の仲間である宮守衛護と双子の新里綾音・詩織姉妹とともに家路についた。


(続く)

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