(二)-5
気を取り直し、二時間目の英語が終わると同時に、私は席を立ち上がり、ムサシ君の席に向かった。
私が「小杉君!」と声をかけた。しかし、ほぼ同時、いや一秒もないほど、ほんのコンマ数秒早く、私の声をかき消すように「小杉ムサシはいるか」と廊下から声がした。
またもや誰かに邪魔される?! 私がドアの所を見ると、生徒会長の千葉ヤスフサ先輩がムサシ君を手招きして呼んでいた。
次の瞬間、ムサシ君は先輩の方へ歩いて行き、廊下へと出て行ってしまった。
まただ! またもやムサシ君に声をかけられなかった!
(続く)
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