(二)-3

 一時間目の授業が終わり、休み時間になった。

 私は即座に席を立ち、一番廊下側に位置するムサシ君の席まで行こうとした。すると、教室の後ろのドアから女子の声がした。良く聞く声だった。

 声の発生源の方を見ると、背の低い女子がいた。単発で毛先が明るくシャギーが入っている。どこかで聞いた声だと思ったら、その子は放送部の伊賀シノブだった。毎日昼休みの放送を手がけるDJの子だ。今日はどうやら球技大会の件できたようだ。サッカーの会場で使用する放送機器についての相談らしい。



(続く)

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