(二)-12

 そんなこんなで、学校からずっと、無言のまま、途中の十字路にさしかかった。

 ここで明は自宅とは違う方へ歩いていった。

「どこへいくのよ、明」

「いいだろ、どこだって」

「ちょっと待ってよ」

 私は明について行くことにした。

「ついてくるなよ」

 明は私の方を見ないでそう言った。

「いいじゃないのよ」

「これから大事な人と会うんだから」

「だから、誰よ、その大事な人って」

「いいだろ、房恵には関係ないだろ」

「そんなわけないじゃん」


(続く)

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