君の呪いを解いて、君に呪いをかけた。

瀬戸あくび

プロローグ

「あなたが人を殺したい理由、そして私がその適任者であることは分かりました」



彼女はとてもこの後殺される人間とは思えない、嫣然えんぜんとした表情で言う。



「……いいですよ。あなたに殺されてあげます」



「契約成立、ってことでいいんだな?」



「いえ、契約を交わすには、一つ条件があります」



「条件?」



「はい。あなたには、私にかけられた呪いを解いてほしいんです。どうせなら、最期は笑って死にたいですから」

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