豆狸の宿 【完結】
砂月ちゃん
本編
第1話 豆狸、巣穴を壊される
あるところに一匹の
ある日、
「満月屋の社長…本当にこの
「ああ…またお客様が増えて駐車場が狭くなって来たからな。
コレを潰して駐車場を広げる事にした。
ずっと反対していた父も亡くなったし…… 」
ここは、老舗旅館【満月屋】の駐車場予定地。
ようやく自分の思い通りに出来るようになった満月屋の社長は、新しい駐車場を作る為に、昔から旅館の敷地に建っていた古い
「本当はあんまり良くないんだけどね~。
ところで…ちゃんと神社か隣りの寺に頼んでお
と嫌そうに大工の
「そんなもったいない事するわけないだろ!
こんな小さくて古い
と顔を真っ赤にして怒鳴り声をあげました。
「そりゃまずいよ。こういうのはちゃんとお
俺のところじゃ出来ない。他をあたってくれ!」
そう言って大工の棟梁は、凄く迷惑そうな顔をして帰ってしまいました。
満月屋の社長は、他の大工さんにも頼んでみましたが、みんな断られてしまったのです。
この様子なら巣穴の入り口の祠が壊される心配はないだろうと思っていました。
ところが皆んなに
「誰もやってくれないなら、私が自分で壊してやる!!」
そう言って社長は、なんと大きなハンマーで、
ガツン!!
のんびり寝ていた
「うわぁっ!何だ?のら犬か何か住み着いてたのか?
お客様の安全の為にも、やはりコレを壊す事にして正解だな!」
そう言って社長は、
近くの茂みに隠れてそれを見ていた
「キュ~ンキュ~ン」
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