英雄たちの宇宙叙述史

アリア

設定資料集(公開用)

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 年号基準

 統一銀河暦(連邦)三三二年=皇帝暦(帝国)六〇九年=西暦(エリウス、ルーシア)二七一九年



 国家設定


 銀河連邦共和国…内戦を乗り越えた人類が統一政体を求めて作り上げた国家。大統領制の下権力分立が厳格に定められ、民主主義的な政治体制が形作られている。(モデル:アメリカ合衆国)


 エリウス立憲王国…旧イギリス系の人々が宇宙植民時代に遭難して作り上げた国家。立憲君主制の下国王を頂き、議会制民主主義が発達している。(モデル:大英帝国、日本国)


 銀河帝国…旧ドイツ系の人々が宇宙植民時代に遭難して作り上げた国家。ローゼンベルク王朝の元に統治される帝政国家であるが、実際には「五公」ら門閥貴族が強い政治的影響力と皇帝や宰相の間で激しい権力闘争が繰り広げられている。(モデル:神聖ローマ帝国、帝政ドイツ)


 ルーシア人民国…旧ロシア系の人々が宇宙植民時代に遭難して作り上げた国家。元々帝政国家であったが、西暦二六八二年に戦争への不満から革命が起き、社会主義国家となった。二七一九年現在では三代目書記長フョードル・レーピンによる一党独裁が続いている。(モデル:ソビエト社会主義共和国連邦)


各国家の組織、軍の設定


帝国


皇帝…帝国の統治者であり絶対権力者。しかし現在では五選帝公の強大化によってほぼ対等の政治的影響力しか保持しえずにいる。

宰相…皇帝の代理として任命され、帝国の統治に当たる。フリードリヒ・ヴィルヘルム二世の退位の後皇帝が直接政務に関わることはタブーとされ、宰相を任じて政務に当たらせることが常態化した。

財務卿…帝国の財政を担う。フリードリヒ・フォン・グライフ子爵が現在任じられている。

軍事卿…帝国の軍事を担う。アーヒム・フォン・マンスブルク元帥が現在任じられている。

外務卿…帝国の外交を担う。アードリアン・フォン・リュッチェンス男爵が現在任じられている。

内務卿…帝国の国内行政を担う。ベンノ・フォン・アスマン男爵が現在任じられている。

司法卿…帝国の法務を担う。エゴン・フォン・ハック子爵が現在任じられている。

文部卿…帝国の教育を担う。ヨハン・フォン・フォイエルバッハ伯爵が現在任じられている。

商工卿…帝国の産業、貿易を担う。ジーゲル・フォン・テレマン子爵が現在任じられている。

警務卿…帝国の治安を担う。元は内務省の一組織であったが独立した。アウレール・フォン・キルンベルガー子爵が現在任じられている。

宮内卿…帝国の宮廷事務を担う。アドルフ・フォン・ゾーム子爵が現在任じられている。

貴族卿…帝国の貴族に関連した業務を担う。マルクス・フォン・シュライヒ伯爵が現在任じられている。

厚生卿…帝国の保健衛生を担う。ベルンハルト・フォン・エルシュタイン子爵が現在任じられている。


大法院…皇帝の名の下で帝国の裁判を担う。大法官はエグムント・フォン・リッチュ子爵。


帝国保安局…内務省の配下にあり、帝国内の適正分子や不穏分子の摘発に当たる。いわゆる秘密警察に当たる。フロイド・フォン・ヴァイス子爵が現在任じられている。

中央情報部…軍事省配下の諜報機関。その情報収集能力は帝国内でも随一とされる。


五選帝公…単に五公と称されることが多い。帝国内において最大の実力を持つ五人の公爵であり、皇帝が不在の際選挙する権限を持つ。その政治的影響力は五人揃えば皇帝にも匹敵し、各国家機関への影響力も高い。現在の選帝公は以下の五名。

マンフレート・フォン・ヨッフェンベルク公爵

エルマー・フォン・リヒトホーフェン公爵

フロン・フォン・ランズベルク公爵

エリク・フォン・ロエスエル公爵

ブライト・ヨハネス・フォン・ネーリング公爵



軍事省…帝国軍の軍政機関。地上軍と宇宙軍の双方を統括するが、軍事卿を始め軍事省内部の主要ポストは宇宙軍出身者が独占している等問題も指摘されている。


帝国宇宙軍…帝国軍の宇宙艦隊及び陸戦隊、宇宙基地や宇宙要塞を指揮下に置く帝国最大の軍事組織。その総兵数は一億人に上るとされる。


宇宙軍総司令部…宇宙軍を指揮統括運用する組織。宇宙軍全軍を編成、指揮する権限を持つ。現総司令官はパウル・フォン・リヒテンシュタイン元帥。

宇宙軍参謀本部…宇宙軍の作戦に携わる組織。元は軍令を担い、軍全体の作戦行動に大きな影響力を持ったが、総司令部の創設によってその影響力は参謀を通じてしか発揮することができなくなった。現参謀総長はファビアン・フォン・ハウサー上級大将。

帝国宇宙中央軍…帝国軍の第一から第九までの全軍団が配備される主力艦隊。宇宙艦隊総司令部直下の実働艦隊に当たる。

軍団…帝国宇宙軍の常設最高編成単位。二個以上の師団を以て編成される。

近衛軍団…帝都ガルトの守備に当たる皇帝直属艦隊。皇帝アルプレヒト一世が皇室独自の戦力を持つ必要に迫られて設置した。軍事費の一部と莫大な宮廷費から賄われるこの軍団は優良な装備と訓練が施され、兵士たちは皇帝への絶対的忠誠を誓っている。

宇宙軍陸戦隊…帝国宇宙軍の陸戦部隊。敵宇宙基地への上陸作戦及び各宇宙軍基地の守備、惑星地表への上陸作戦等を担う。


帝国地上軍…帝国軍の地上部隊を統括する。配下には四千万人を超える地上部隊を保持し、惑星の地上戦においては主力を担う。


エリウス立憲王国


国王…エリウス国家の元首。立憲君主であり、その政治的な権限は限られた王室領に制限される。現国王はエドワード三世。

首相(内閣首席大臣)…エリウス政府の長。行政府の長であり、慣習上議会与党の党首が国王に任命される。現首相はアーサー・カニンガム。

大蔵大臣…エリウスの財政を担う。現大蔵大臣はアントン・ボールドウィン。

外務大臣…エリウスの外交を担う。現外務大臣はウィル・サザーランド。

国防大臣…エリウスの国防を担う。現国防大臣はボブ・ブライアン。

大法官兼法務大臣…エリウスの司法を担う。王国最高裁判所長官も兼ねる。現大法官はジョージ・バトラー。

内務大臣…エリウスの内治を担う。現内務大臣はマイケル・キャッスル。

教育・労働大臣…エリウスの教育、厚生を担う。現教育・労働大臣はウィリアム・ラーブ。

保健大臣…エリウスの保健衛生を担う。現保健大臣はドミニク・マンデルソン。

通商産業大臣…エリウスの産業、貿易を担う。現通商産業大臣はジョン・ブレア。

文化大臣…エリウスの文化保護、発展を担う。また王室領の維持管理にも当たる。現文化大臣はデービッド・カニング。


エリウス議会…エリウスの立法機関。伝統的にエリウスの政治的最高機関としての役割を果たしてきた。


上院(元勲院)…エリウス国家の発展に寄与した者に対して名誉職的に国王から与えられた上院議員としての座を与えられた者が議員とされる議院。その政治的な権限はなく、あくまで儀礼的な役割のみを与えられている。

下院(庶民院)…小選挙区制で選挙された九五三人の議員により構成される議院。エリウスの民主政治の代表的機関であり、議員の任期は四年。複数政党が議席を持っているが、実質的に中央党がここ半世紀ほど中央党が与党として政権を担ってきた。


暗星庁裁判所(最高裁判所)…エリウスの最高司法機関。その長官は司法大臣であるが、現在では代理として暗星庁長官を任命することが慣例化している。現暗星庁長官はヘンリー・ピット。


国防省…文官である国防大臣によって統括され、エリウス国防軍を指揮する。また常備陸軍の軍政も担う。最高指揮権は国王の代理として内閣首席大臣が持つ。


エリウス王立宇宙海軍…エリウスの宇宙戦力を担う軍。ロイヤルネイビーの呼称を用い、その質においては四か国隋一とも謳われる伝統と格式ある海軍。

海軍本部…エリウス王立宇宙海軍の軍政、軍令を担う機関。第一から第五までの海軍卿により統括される。

第一海軍卿兼海軍軍令部長…エリウス海軍の軍令を統括する。実質的にエリウス海軍のトップであり、エリウス海軍全軍への指揮権を持つ。

海軍軍令次長…エリウス海軍の総司令部としての役割も持つエリウス海軍軍令部の事務を統括し、第一海軍卿を補佐する。

第二海軍卿兼海軍人事局長…エリウス海軍の人事を統括する。

第三海軍卿兼海軍管理官…エリウス海軍の装備を管理する。

第四海軍卿兼兵站局長…エリウス海軍の兵站、医療を統括する。

第五海軍卿兼要塞官…エリウス海軍が保持する宇宙基地や要塞を統括する。


本国艦隊…実質的な主力艦隊。十一個艦隊を保持し、総戦力は十五万隻以上に上る。現職はマックス・ブラッドフォード大将。

エルジア艦隊…帝国及び連邦との国境付近を守備する艦隊。名称の由来は司令部を置く星系から。

フォートランド艦隊…ルーシアとの国境付近を守備する艦隊。名称の由来はエルジア艦隊同様司令部を置く星系から。

内海艦隊…首都星系チューダーを防衛する艦隊。実際には再建途上の艦隊や訓練艦隊の配備場所となっている。

近衛艦隊…王室守備のための部隊。十分装備訓練が行き届いた部隊だが戦場に出ることはなく、儀礼、式典のための部隊という面が強い。


エリウス常備陸軍…エリウスの地上戦力を担う軍。陸軍司令部により指揮される。

陸軍参謀本部…エリウス陸軍の軍令機関。


銀河連邦共和国


大統領…直接選挙により選出される連邦の国家元首。厳格に三権分立が図られる連邦において行政の全権を担う。大統領府キャピトルハウスは大統領私邸を兼ねており、連邦の政治的象徴と目される。他に首席外交官、政党党首としての地位も有する。任期は四年。現大統領はフランクリン・カール。

国務長官…連邦の外交を担う。閣僚の中では首座と見なされる。現国務長官はファビアン・デ・ブラウン。

財務長官…連邦の財政を担う。

国防長官…連邦の国防を担う。現国防長官はジョン・マクラカン。

司法長官…連邦の法務を担う。

内務長官…連邦の内治を担う。

農商務長官…連邦の産業、労働を担う。

保健福祉長官…連邦の保健、福祉を担う。

エネルギー長官…連邦のエネルギー政策を担う。

教育長官…連邦の教育を担う。

以下、閣僚級高官

副大統領…連邦政府第二位の行政官に当たる。また、連邦上院の議長も兼任する。

国家情報長官…連邦の国内外の情報収集、整理を担う。現職はヘンリク・キュラコスキ。

大統領首席補佐官…大統領の業務を補佐する。現職はジョアン・ファン。

通商代表…連邦の通商貿易を担当する。


星系州…原則として有人惑星を有する一星系につき一つ(一部においては二星系で一つ)設置される連邦の地方行政単位。直接選挙で選出される州知事が州の行政を担う。連邦には統一銀河暦三三二年時点で四一の星系州がある。


連邦議会…各星系州四人づつ、合計一六四の議席を持つ上院と、人口比率に応じて各星系州に配分された議席の合計一六一七の下院で構成される。連邦の立法権を担う。


連邦最高裁判所…連邦の司法権を担う。三権分立制を厳格に維持する連邦において議会や行政府と対等の立場にある。


国防総省…連邦軍の軍政、軍令を統括する。麾下に統合参謀本部及び陸軍省と宇宙軍省を抱え、連邦各省庁の中でも最大規模の組織である。国防総省庁舎は上から見ると正六角形であることから「ヘキサゴン」と呼ばれる。


統合参謀本部…連邦軍の最高機関であり、国防長官や軍の最高司令官たる大統領を補佐し、軍事戦略や人事計画の立案、情報収集などに当たる。統合参謀本部議長は制服組トップではあるが、直接の指揮権は持たず、命令権は大統領や国防長官、各軍の総司令官に帰する。また帝国やルーシアのように各軍の参謀将校に対しての直接の命令権もない。


宇宙軍長官…文民が任じられ、宇宙軍及び海兵隊の管理に責任を有する。平時の間は宇宙軍及び海兵隊の実質的トップとして宇宙軍に対して全権を有する。

宇宙軍作戦部長…宇宙軍における制服組トップ。統合参謀本部の一員で、大統領の主任軍事顧問である。平時から宇宙軍を維持管理するが、実際の指揮権限は持たない。戦時には臨時の連邦共和国軍宇宙艦隊司令長官が全宇宙軍への指揮権を持つ。

海兵隊…陸宇宙軍と並び連邦軍の第三の軍として編成されている軍。惑星への上陸作戦第一陣を担う精鋭軍。即応性の高い緊急展開部隊として認識されている。

海兵隊総司令官…海兵隊の制服組トップ。

連邦共和国艦隊…連邦宇宙艦隊の実質的戦闘部隊。平時には第二、第三、第五、第七艦隊が配備され、その配下に任務部隊が編成されているが、戦時においては必要に応じて柔軟に編成が入れ替わる。任務部隊以上の兵力は一定ではないために一部隊当たりの兵力において他国軍と単純比較することは困難である。


陸軍長官…宇宙軍と同様文官たる陸軍長官が任じられる。

陸軍参謀総長…陸軍の制服組トップ。統合参謀本部の一員であり、大統領の主任軍事顧問である。実際の指揮権限は平時は陸軍長官、戦時には臨時に置かれる陸軍総司令官が握る。

陸軍中央総軍…連邦本土に駐留する陸軍の総軍。現役兵だけでも二千万、予備役、州兵を含めれば優に四千万へと膨れ上がる連邦陸軍の文字通り主力部隊である。


ルーシア人民国


人民最高評議会議長兼共産党中央委員会書記長…実際には「書記長」と称される。共産党による一党独裁制のルーシア人民国の共産党トップであり政府首班であり国家元首たる役職。社会主義国家たるルーシアには国家の指導者という概念がなかったが、ルーシア革命を主導したニコライ・エレコフがこの役職に就いて以降はこの役職が国家の最高指導者であると認知されるようになった。政府および共産党のトップとして独裁的な権限を持ち、名実ともにルーシアの指導者。現職はフョードル・レーピン。


人民最高評議会…実質的な行政府に当たる。人民委員部は「省」に、人民委員は「大臣」に相当する。

陸軍人民委員…ルーシアの陸軍を担う。

宇宙軍人民委員…ルーシアの宇宙軍を担う。

外務人民委員…ルーシアの外交を担う。

貿易人民委員…ルーシアの貿易政策を担う。

運輸・交通人民委員…ルーシアの国内インフラ、輸送を担う。

工業人民委員…ルーシアの工業政策を担う。

穀物人民委員…ルーシアの食糧政策を担う。ここで言う食糧政策は穀物の調達とその配分に当たる。

農林水産人民委員…ルーシアの一次産業政策を担う。

財務人民委員…ルーシアの財政を担う。

内務人民委員…ルーシアの警察、諜報、強制収用を担う。

法務人民委員…ルーシアの法務を担う。

保健人民委員…ルーシアの保健衛生を担う。


宇宙軍人民委員部…ルーシアの宇宙軍を統括する。現役の軍人が宇宙軍人民委員に任じられている。

宇宙軍総参謀部総局…ルーシア宇宙軍の軍令機関。最高司令官たる書記長の補佐機関であり、必要に応じて参謀総長が実質的な最高司令官の代理として作戦を統括、調整する(実際の指揮権は各戦線艦隊司令官に付属する)

戦線艦隊…ルーシア宇宙艦隊の最高編成単位。複数個艦隊によって構成される。


労働者・農民赤軍…ルーシア地上軍の呼称。

赤軍総参謀部総局…ルーシア地上軍の軍令機関。その職務は宇宙軍総参謀部総局とほぼ同じ。

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