回答②🌰🌰
🌰🌰
※雰囲気重視のため、一人称が「俺」に変化しております
――やむを得まい。
今こそ俺の特殊能力を発動するときだ。
彼女が作る、地球外生命体としか思えない料理を繰り返し摂取するうちに、俺は新たな特殊能力に目覚めてしまった。
その能力とは――
『
黒胡椒以外のすべての味を、味覚から一時的にシャットアウトする能力。
発動中、俺の舌は黒胡椒以外のあらゆるものの味を受け付けなくなる。
「ブラックペッパー」は、俺の家にいたロボットの名前でもある。
俺のあらゆる語りかけに答えてくれた。ひたむきに家事をこなしてくれた。
彼(彼女?)はよき相談相手であり、家族だった。
俺の彼女、
そのブラックペッパーが、壊れた。
彼(彼女?)に搭載された機能では、二子ちゃんの破壊的超次元料理に対処できなかったのだ。
今は亡き(※修理待ち)ブラックペッパーの意志を継ぐように、俺の能力が発現した。
幸い、黒胡椒は好物だ。
この能力は、二子ちゃんがどんな致死性劇薬を精製しようと、その中から黒胡椒だけを取り出し、我が舌に芳醇な味と香りを届けてくれるであろう。
「お待たせー!
今日のメニューは、筍とコンニャクの煮物! ごぼうのおひたし! 五目ちまき! デザートに、柏もちー!!」
――おかしい。
黒胡椒好きを何度もアピールしてるはずなのに、見事に黒胡椒が出てこない。
しかも、何度も咀嚼しないと飲み込めない難敵ばかりではないか!
きらきらと目を輝かせる彼女の前で、こっそり黒胡椒をかけて食べるなんてスキルは持ち合わせていない。
腹をくくるしかない。
俺はまったく味がしない物体をひたすら口に詰め込み、ひたすらモゴモゴと咀嚼しながら、背景に広大な宇宙銀河を背負った料理漫画の一流料理批評家(リアクション担当)のごとく
「うーーまーーいーーぞーー!!」
「俺の口内で! タケノコが伸びていくーーぅ!!」
などと叫び続けることになった。
食べるのに時間がかかり過ぎて。
柏もちに到達する前に、能力が切れた。
「あじゃぐあぺぎゃごあーーッ!!(訳・宇宙の深淵が見えたぁーー!!)」
味覚が破壊され、もはや言葉を発することもできなくなった男の末路であった。
その後、ブラックペッパーくんが直ったので、二子ちゃんはブラックペッパーくんのおかげでまともな料理が作れるようになりました。
僕たちは今日もラブラブです。
🌰🌰
『においで察したのか隣人から苦情は来ない』
<終>
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます