十一日目 クラスの人気者と手を繋いだ。
「そういえばどこへ行くんだ?」
「決まってるじゃいですか?あ・そ・こ・ですよ?」
どういうことなんだよ...とは言いたいものの、もしこれで変な場所を言われた場合恥ずかしいのであえて追撃はやめておく。
右を見ると白華がにこにことサムズアップをしながら隣を同じペースで歩いている。無言になると本当に清楚な雰囲気を醸し出している美人なんだなと改めて認識させられるな。
「朱兎くん」
「は、はい。なんでしょう?」
「右手を出してくれませんか?」
「は、はいどうぞ?」
なにをするのだと思いながら恐る恐る手を白華のほうへ向けると。
にぎっ。
0フレームか喩えたくなるほどに素早い動きで、俺の手を握ってきた。
しかも恋人つなぎで。
俺は今、クラスの人気者の手を、繋いでいる!!!
しかも恋人つなぎで!!!!
と思うのもつかの間、突如として恥ずかしさがこみ上げてくる。
それは白華も同じようで、右側を見ると顔が赤く火照っている。
「白華さん」
「は、はい!?」
「これ、ちょっと恥ずかしくない?」
「確かに、ちょっと恥ずかしいですが...」
「じゃあ「でも、この手は私の特等席の一つなんです。この手は離す気はありませんし、誰にも譲りません」
特等席はいくつもあるのかと言いたかったが、言おうと思って顔をみたその矢先、俺の瞳に映し出された笑っている姿の彼女は、とてもかっこよく、そして綺麗で、思わず言葉がでなかった。
おそらく俺の顔は嬉し恥ずかしさで真っ赤っ赤だろう。
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