帰宅したらクラスの人気者が許嫁になっていた。
しらゆき。
クラスの人気者と許嫁になった。
一日目 クラスの人気者が俺の家に不法侵入していた。
起立、礼、さようなら――
いつも通りホームルームが終わり、いつもと変わらない淡々とした帰りの全体挨拶を行い、することもない俺はクラスを一早く後にした。
別にぼっちだからというわけではない。
俺は一般的な青春ラブコメの主人公のようにぼっちというわけでもないし、ラブコメ主人公でたまにある実はイケメンというわけではない。
つまり俺は全世界76億人の中のひとりであり、日本人1.2億人の中のひとりで、ただのモブAのようなものであり、ごく普通の学生である。
俺は主人公とは程遠いであろう人間だ。
よって自分にはラブコメなんて起きるはずがあるまい。
あれ?なんでこんなラブコメ云々とか言っているんだっけ?ま、いっか。
そんな心底どうでもいいことを思いながら帰宅しているともう家...というよりマンションのロビー。
流石にこの建物は巨大な建造物とまでは行かないが、この辺りでは頭一個抜けて目立つくらいの存在感を放ちながらそびえ立っている。
中学卒業前に一人暮らしをしたいと両親に頼んだ所、高校の入学祝いとして学校から近いところにこの部屋を借りてもらった。太っ腹すぎるだろ。
かなりな無茶を言って通してもらったがそのおかげで家から学校までの移動がかなり楽だ。 両親様々である。本当にありがとうございます。
今度には直で感謝を伝えよう。いやそんなことしたら今度は親に我が身になにがあったのかと余計な心配をかける可能性すらあるためやめておくのが吉か。
心のなかで両親に感謝をしていたらもう自分の部屋―――302号室の扉の前。いつも通りに鍵を開けると、そこにはいつも通りとは決して言えない、というかあまりにも非現実的と言いたくなるくらいの衝撃の光景が広がっていた。
それはなぜか...なぜかクラスの人気者である
「おかえりなさいませ、未来の旦那さま!てへっ!」
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