戯言集

Mです。

第1話 お前は誰?

 僕は何度も起き上がる…


 ただ、生きるという動作を繰り返すために…


 僕は今日も起き上がる…




 それは、何のためかはわからない…


 でも、そうしないとならないと…思った。


 産まれて来たから?


 それが使命だから?


 よくわからないけど…




 僕には居心地の悪いこの世界で、


 僕はただそれを繰り返す。


 僕はこの世界が嫌いで…


 だから、僕はこの世界は間違えているのだと思っていた。




 でも、そんな僕を無関心に通り過ぎる人の影は、


 まるで、オカシイのはお前だと、


 人差し指を突きつけられているように見えた。


 だから、僕はそう見えないようにしようって思った。




 そして、今日も僕は起き上がる。


 目的も無く、ただ僕は僕というデータの改ざんをする。


 そうすれば、僕もきっとこの世界の一部になれるのだ。


 そんな、ひどくつまらない勘違いをし、


 それは生きるために必要な事だと、誰かに教え込まれたような気がした。




 改ざんしたデータが正しいかなんて僕は知らない。


 ただ、周りをみてそれっぽく改ざんしてみただけだ。


 どちらにしても、後戻りはできない。


 元のバックアップなんて取り忘れている。


 ただ、僕は周りに合わせて数字を調整するだけだ。




 そして、僕は今日も起き上がる。


 そして、鏡の前に立って思うんだ。




 キミは誰?




 容姿なんてちっとも変わってないのにね?

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