第24話

感染者数が落ち着いてきたので登校できる事になった.

ハヤトは,どうせ彼女と登校だろうから,

あえて声はかけなかった.

まぁ,チャリは1列走行が決まりだから,

おってもおらんくても良し!


階段上がった所でハヤトに会った.

「早いじゃん.」


「ん~まぁ.」

聞いて欲しそうなハヤトの顔を見ながら,

絶対に聞いてやんねぇよと思う.


「リモートの時さぁ.助かった.

ありがとね.」


ハヤトが,クシャクシャになった顔で笑った.

何か,グッときて,頭ワシャワシャ撫で繰り回したら,

「それ,やめてあげて~.

髪きまってたのに~.」

と言われた.


クラスの前で,少し緊張した面持ちの女子2人.


はは~ん.

リョウが言ってたのは,あの子たちか…?


「おはよ.」

女子2人に向けて言ったら,

いち早くハヤトが反応した…


「お前…」


ハヤトの言葉は聞こえないふりをしたら,


「おはよっ.」

「おはよ~ぉ.」

口々に返事が返ってきて…

女子どもは廊下をダッシュで,どこかに消えてった…

おい,教室ここだけど…


「こいつは…

ユウじゃない!

誰だぁっお前は誰なんだぁ.」

ハヤトが叫ぶ.


「いつもガン無視だったじゃないかっ.

俺以外…

何かあった!?」

ハヤトが聞く.


「周りの…

優しさに気が付いたからかな…

俺,サクラにも話したいことがあってさ.」


明らかにハヤトが引いてた…

ハヤトがやかましいので,リョウが教室から出てきた.


「おはよ.

ハヤトくんが騒がしいから,ユウもいるかなって思った.」

ふわっと目が笑う.


「おはよ.

マスク返そうと思って持ってきた.」

背中のカバンおろそうとすると,

「いいよ~あげたんだから.」

と言われた.


「何で,こっちも!

何でマスク貰ってるんだよ…」

ハヤトがイジッっとするので,

また頭ワシャワシャすると,今度は大人しくなった.


リョウに向かって,

「俺もハヤトでいい.」

って言うハヤトが何だか可愛く見えた.


「あぁサクラ来てる?」


ハヤトは分かんないと言い,

「あぁ…サクラさん?

来てたような…来てなかったような…

ごめん,分かんない.」

リョウも言うため,

「あ~大丈夫.」

とだけ言った.


これから教室入るし.








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