一番嫌いな「休日にしていること」
あなたは休日に何をしているだろうか。
読書、ゲーム、動画鑑賞、ネットサーフィン、TV、映画、絵を描く、アウトドア、運動――いろいろな回答があるだろう。
僕は「休日に何をしているの?」という問いに対して、一番腹が立つ回答がある。
パチスロ? 競馬? タバコ?
そんな甘っちょろいものではない。
それは――「ゴロゴロしている」だ。
なにゴロゴロって。
趣味がないの?
それとも本当に床を転がっているの?
国立国語研究所のサイトによると「ごろごろする」は「休みの日などに、特に何もしないで家でゆっくりすごすこと」と定義している。
ふむ……なるほど……。
床やソファーを転がっている様子から転じているようだ。
いや、「ゴロゴロする」がシネクドキなのは分かっている。
問題なのは、本当に何もしていないのかということだ。
人は退屈を嫌うので、何かしら動作をしていると信じている。
スマホで動画を観る、寝ている、本当になんでもよいのだ。
そういった具体的な動作ではなく、わざわざ抽象的に「ゴロゴロしている」と回答されると話題が広がらないので困るのである。
「パチスロ行ってるよ」と回答されたら「パチスロってギャンブルじゃないんですか?」とか「アニメの演出を観るのが好きという人がいましたけど、そういうタイプですか?」とか、パチスロですら色々聞きようがある。
しかし、「ゴロゴロしています」と言われると何を聞けばいいかわからない。
「スマホでゲームしてるとか、動画観てるとか、TVを観ているとか、ないんですか?」と聞き返したときに「あ、スマホでゲームしてます」という風に具体的な動作が返ってくる場合はまだマシだ。
それでも「いや、特にないですね」という人は僕なら距離をとる。
僕は何かに熱中している人が好きだ。
理由は二つある。
一つは、自分が何をしているのか、何をしているときが好きなのか相手のメタ認知能力が正常であることだ。
メタ認知能力がない人は自分のことを客観視できないので、自己中心的になりやすい。
もう一つは、なにかに熱中するときは不安を感じにくく、精神的に安定しているということだ。
不安に襲われたときや、思い悩んでいるときに何かに熱中すると、一時的に不安が消える。
悩んでいると脳のリソースを使うが、熱中していると悩みにリソースを割く余裕がなくなるので、一時的にではあるが不安が解消される。
こう考えると、よく悩んでいる人は趣味が少ない、あるいは頻繁に行えない趣味ではないだろうか。
自分の身近にもよく悩み事を抱えている人がいて、趣味は旅行らしい。
頻繁にはできない趣味のため、悩みが消えないのだろう。
以上が「ゴロゴロしています」という人が嫌いな理由だ。
もちろん何もしない時間も必要だが、たまにでよいだろう。
毎週何もしていないのはさすがに不健全ではないだろうか。
参考文献)
国立国語研究所
ごろごろ - 日本語を楽しもう!擬音語って?擬態語って?
https://www2.ninjal.ac.jp/Onomatope/50_on/gorogoro.html#:~:text=%E4%BC%91%E3%81%BF%E3%81%AE%E6%97%A5%E3%81%AA%E3%81%A9%E3%81%AB,%E3%81%94%E3%82%8D%E3%81%94%E3%82%8D%E3%81%99%E3%82%8B%E3%81%A8%E8%A8%80%E3%81%86%E3%82%8F%E3%81%91%E3%81%A7%E3%81%99%E3%80%82
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