地球が丸く見える丘から
鷺町一平
1 UFO召喚イベント
循環バスは、地球が丸く見える丘展望館の真ん前のバス停に停まった。宮内ひなたはバスを降りて、やや上りになっている展望館に続く道を小走りに駆け上がった。振り返ると通りを挟んだ公園の向こうに青く光る太平洋が見えた。やっぱり、海近いんだぁと思った。ひなたは大きく深呼吸をしてみた。かすかに潮の香りがした。
一階のチケット売り場で入館料三百八十円を払う。JKに人気のマイメロがついたお気に入りの小銭入れを広げていると、後ろから声をかけられた。
「あれぇ? 宮内じゃないか。お前、UFOに興味あったんだ?」
振り返ると、ひなたと同じ銚子中央高校、そして同じ吹奏楽部の一個上で2年の瀬上優一が立っていた。
「あっ、先輩も来てたんですか! 偶然ですね~」
実は、偶然でもなんでもなかった。
「確か、宮内って家、銚子じゃなかったよな。わざわざ電車で来たのか。そんなにUFO好きだったのか~。意外だなぁ」
正直、ひなたはUFOとかオカルトチックなものにそれほど興味があるわけではなかった。同じ吹奏楽部の憧れの先輩、瀬上優一がオカルト好きで愛読誌がムーであるということは以前から知っていた。
夏休みに入ったばかりのこの日に、ここ銚子の愛宕山にある地球が丸く見える展望館で「銚子にUFOを呼ぼう」というイベントがあることを知り、優一が参加するであろうことを親友の美央から聞くに及んで、ひなたは周到に作戦を練ったのであった。
すなわち、UFOに興味津々のオカルト大好き少女を装い、好意を寄せている優一先輩との距離を縮めるために、このUFO召喚イベントに並々ならぬ決意をもって参加してきたのであった。
それは四月、桜が舞う中、期待に胸を膨らませて始まった高校生活。ひなたは吹奏楽部に入部した。そこで出会ったのが一年先輩の瀬上優一であった。新入部員勧誘でデモ演奏していた優一のサキソフォンのかっこよさとその端正な横顔に一目で恋におちてしまったのだった。ひなたのパートはトランペットでパート練習は一緒にできなかったが、気が付くと目で優一を追っていた。実力は折り紙付き。次期部長は間違いないといわれている。それでいて性格は明るく、気さくとくれば、女子に人気が出ないはずがない。一年女子の間では非公式のファンクラブまであるという噂だ。
吹奏楽部でストイックに練習しているときとはがらりと雰囲気が変わって、今日の優一のいでたちはラフなTシャツにデニムのストレートダメージジーンズ。ご丁寧にTシャツの胸にはUFOがデザインされていた。メッシュの野球キャップを後ろ前に被った姿はとても似合っていて、ひなたは思わず心の中で先輩! カッコいいっ! と叫んでしまったのであった。
もっとも、ひなただって相当気合が入っていた。なにしろ、片思いの瀬上先輩との距離を縮めるための大事な日なのである。出来るだけ可愛く見られたいというのは極めて自然な乙女心だった。いちばんのお気に入りの夏の定番、ノースリーブふんわりシルエットの花柄ワンピースで決めてみた。ポイントは“清楚”、この一点である。夏だからと言って露出が多すぎるのは厳禁。さわやかさを演出することに専念すべきなのだ。
「なんか、今日いつもと雰囲気違うな。宮内」
よっしゃぁ! 心の中でガッツポーズ! どうやらつかみはOKみたいだわとひなたは思った。髪だっていつものストレートじゃなくて汗っぽくならないようにポニーテールにした甲斐があったというもの。
「ほんとですか。うれしいな」
ちょっとだけ小首をかしげ、可愛く微笑んでみる。このポーズにはちょっと自信があった。先輩がちょっとだけ動揺してるのをみて、やったと思った。
どんどん人が多くなってきた。みんなUFO召喚イベントに参加する人たちだろうか。ひなたと優一はエレベーターに乗った。
「先輩はなんでUFO好きになったんですかぁ?」
身長百八十一センチメートルの優一に対して、ひなたは百六十四センチメートル。ちょっと上目使いに先輩を見上げる。少しだけ瞳を潤ませて。これも昨夜さんざん練習したポーズだ。
「俺かぁ…、なんだろう、親がそういうの好きでさ、物心ついたときから家にそういう本とかいっぱいあったんだよね~、ムーとかさ。それにほら、銚子電鉄の君ヶ浜駅がネーミングライツでロズウェル駅になっただろう、ああいうのもあってさぁ。決定的だったのは三島由紀夫の「美しい星」読んでからかなぁ…。宮内、知ってる?」
「いいえ、知らないです…で、でも絶対読みます!」
ステキ! 先輩は、文学もちゃんと読んでるんだわ。今日帰りに買わなくちゃ! とひなたは思った。そして付け焼刃の知識じゃ先輩についていけないとも思った。ついでに昨夜仕入れたそれこそ一夜漬けの情報を口にしてみた。
「銚子って、住民の五人にひとりがUFOを目撃してるんですよね? それってすごくないですか? 先輩も銚子市民ですよね? UFO見たことあるんですか?」
「一度だけあるよ。部活の帰り道、夕焼け空に一筋の光が横に走ったんだ。何故だかすごく感傷的になっちゃって涙が出た。UFOには人の心を揺さぶるなにかがあるんじゃないかなって思ってる」
「すご~い。先輩って詩人ですね! 私も早くUFO見たくなっちゃった!」
いい雰囲気をひなたは感じていた。こんなに長く瀬上先輩と話せたのは、入部以来、はじめてだった。このイベントに先輩が参加するって教えてくれた親友の美央には感謝しなくちゃいけない。心の中で「美央、サンクス!」とひなたはつぶやいた。
その時、LINEが入った。美央からだった。《どお? ひなた、うまく瀬上先輩と話せた?》《うん、なんかいい感じ~》すぐにひなたはLINEの返信をした。
ひなたと優一は、三階に上がってきた。この三階のテラスから屋上に続く階段があるのだった。三階にはちょっとした軽食がとれるスペースがあった。かき氷やソフトクリーム、焼きそば、銚子名物ぬれ煎餅などが置いてあった。そういったものを横目で見ながらテラスに出る。正面に夏の真っ青な太平洋が広がっていた。
「わぁ、気持ちいい!」
ひなたは思わず、のびをした。キラキラ光る海の反射にとなりの優一もまぶしそうに眼を細めている。目の前には日比友愛の碑のモニュメントが鎮座している。第二次世界大戦中、不幸にして戦火を交えた日本とフィリピン両国民が互いの恩讐を超えて永遠の世界平和を祈念するために、昭和三十三年に建立された。何故ここに日比友愛の碑が建てられたかというと銚子の愛宕山が眼下の太平洋を隔てて途中に遮るものが何一つなく、フィリピンに相対しているからだ。モニュメントの先端は、三千㎞離れたマニラ富士と呼ばれるフィリピンのマヨン山の方角を向いているという。
テラスの右奥に階段があり、登っていくと屋上に出られる。その屋上からは何やら、威勢のいい楽し気な音楽が流れてくる。ひなたと優一は階段を登って屋上に出た。屋上は五十畳ほどの広さがあった。海風が心地よい。この建物の呼び名にもなっている文字通り見渡す限りの水平線が広がって、地球が丸く見える。三百六十度のうちの三百三十度が水平線なのだ。ほぼ水平線を遮るものがない一大パノラマ。西は屏風ヶ浦から太平洋の大海原を経て東の犬吠埼の灯台、さらに銚子港方面の銚子ポートタワーまで一望できる。
「すっご~い! ほんとに地球が丸く見える! 感動。初めて来た」
「太平洋に突き出た銚子半島ならではのロケーションだよな。ここまで水平線が見える場所って本州ではなかなかないだろうなぁ」
タイルで覆われた手すりにもたれてはるかな太平洋を見つめて優一は言った。
屋上の片隅で、かっぱの着ぐるみをきた変なおじさんがエレキギター片手に歌っていた。さっきから聞こえてきていた音楽の発信源はここだった。だけど聴いているひとは誰もいない。時刻は午後二時を少し回った。三々五々、人が増えてくる。気が付くと百人くらいの人が屋上にあふれていた。見るからにオタクっぽい人や、何やらアタッシュケースを持った制服に制帽を被ったパイロット然とした若い男性やら、とても堅気な職業にはついていなさそうな年齢不詳の中年夫婦、黒のゴスロリファッションに身を包んだミステリアスな雰囲気の奇麗なお姐さん……、雑多な人々が集まっていた。みんな高価そうな一眼レフやスマホを片手にしている。UFOを撮影する気満々だ。
まず主催者のあいさつから始まる。MCの男女が出てきた。やけにオデコのひろい芸人と鉄オタアイドルだ。笛木洋子というらしい。鉄オタアイドルは車掌のコスプレをしている。赤いミニスカートがちょっと痛々しいとひなたは思った。この人アイドルって言ってるけど、結構歳くってるんじゃないかしら。ひなたはやっと気づいた。後ろに立っているパイロット然とした若い男は、この鉄オタアイドルの追っかけだったのだ。この鉄オタアイドルはUFO大好きで、今年で三回目になるこのUFO召喚イベントのことは知っていて、呼ばれなかったらプライベートでも来るつもりでしたよと言っていた。日本全国すべての鉄道に乗りつくしている彼女は何回か銚子電鉄にも乗ったことがあって、そんなに好きなら出ちゃえばいいじゃないですか~と仲良くなった広報の人に言われて出演が決まったそうである。
「さぁ、今年もやってきました。このUFO召喚会。今年で三回目ですがUFO出現率百%を誇っています。今年も現れるでしょうか?」
「今日は、東スポのカメラマンさんも取材にみえてますからねー。UFO撮影に成功すれば明日の東スポ一面まちがいなしですよぉ!」
鉄オタアイドル笛木洋子が煽りまくっている。優一とひなたは顔を見合わせた。優一はちょっと首をすくめていた。
そしてUFOおじさんこと、コンタクティの沢村さん登場。見た目は七十歳くらい。おじさんというよりもおじいちゃんという感じ。ひなたは全く知らなかったが、その筋では有名なひとらしくテレビにも何度も出ていて、いたるところでUFOを呼び寄せている専門家とのこと。コンタクティというのはUFOとコンタクトできる人のことをいうらしい。
そのUFOおじさんの沢村さんがUFOを呼ぶときの呪文があるという。UFOを呼びたいときはみんなでこの呪文を口ずさむのだ。MCのデコ芸人と鉄オタアイドルが、沢さん、どうですか。UFOを呼んでくださいと水を向けるとその呪文を唱えだした。
「ゆんゆんゆん、きゅんきゅんきゅん、ふぁんふぁんふぁん……」
ひなたは思わず笑いそうになってしまった。でも隣の優一をみると真面目くさった顔をして、ゆんゆんきゅんきゅんと口ずさんでいる。MCのデコ芸人と鉄オタアイドルが「さぁ、みなさんご一緒に!」と盛り上げている。仕方なくひなたもゆんゆんゆん、きゅんきゅんきゅんと小さく口に出してみる。そのうちなんか楽しくなってきた。こういうイベントはとことん楽しまないと損だ。くだらないとかバカバカしいとか思ったら、一気にしらける。ハイテンションなノリを維持することが何より大切なのだ。最初こそ小さかったひなたの声はだんだん大きくなっていった。
屋上にいる全員が真っ青な夏の空を仰ぎながらゆんゆんゆん、きゅんきゅんきゅんと唱えているのはなかなかにシュールな光景である。沢さんは言う。
「さっきから、ものすごいパワーを感じています。肉眼では見えませんがすでにこのあたりにUFOは来てます!」
屋上に集まったすべての人たちが一斉に空に向かってスマホや一眼レフのシャッターを切る。ひなたも優一もみんなに負けじとシャッターを切った。
そうこうしている間にステージでは同時進行で「宇宙フォークジャンボリー」が始まった。一番手は先ほどのかっぱの着ぐるみをきたおじさんだった。MCの鉄オタアイドルが紹介する。
「地元銚子のかっぱ屋の店長、川端京二さんで~す」
「どうもぉぉ! みなさん、元気ですか~。元気があればなんでもできる! 現金があればなんでも買える! 元気の源、かっぱ屋店長の川端康成じゃなくて、川端京二です。今日はUFO召喚イベントにお招きいただきありがとうございます」
かっぱオヤジはかっぱの着ぐるみのまま愛想を振りまいている。
「かっぱ屋さんというのはどういうお店なんですか?」
鉄オタアイドルは、手作りの赤い車掌コスプレの帽子が吹き付ける海風で飛ばないように抑えながら、かっぱオヤジにマイクを向ける。
「かっぱについてのあらゆるものを置いてます。かっぱグッズ、アクセサリー、小物、かっぱがデザインされたハンカチ、タオルからテーブルクロス、傘…みなさんも漁港の近くに来たらぜひお寄りください」
「楽しそう! こう見えても店長さんは、日本のロックシーンに輝かしい足跡を残した伝説のバンド、元『延髄ゲリーズ』なんですよ~。それでは歌ってもらいましょう。ええっと、タイトルなんでしたっけ? ああ、『かっぱっぱルンバ!』で~す!」
「簡単な振りなんでみんなもおどってくださいね~」
「♪かっぱっぱ~、かっぱっぱ~、今日も朝からお皿はツルツル、お腹はペコペコ、ご飯のキュウリをポ~リポリ♪ はいっ」
かっぱオヤジは両手を頭の上にあげて手のひらを下に向けると小刻みに振った。
「さぁ、ご一緒にぃぃ!」
仕方なく前列の何人かの人々はその真似をした。ひなたが振りをして優一に笑いかける。しぶしぶ優一も真似をして振りをつけた。目の前のかっぱオヤジは満足そうに微笑みながら歌い終えた。
「ありがとうございました~。結構みなさんノリノリでしたね~。こういったらなんですけど、すごい楽しかった。わたしも自然に体が動いちゃいましたヨ」
トウの立った鉄オタアイドルはフォローを忘れない。
「宇宙フォークジャンボリー、次は、誰ですか? おっ、沢さんいきますか? なに歌いますか? 『十代の恋よ、さようなら』。沢さんの青春時代の曲かな? あるかな~。あるみたいです。では沢さんおねがいします」
デコ芸人が紹介すると沢さんが気分たっぷりにステージに進む。すでにマイクをもつ小指が立っている。イントロが流れる。あまりにのどかで牧歌的曲調に会場の空気が変わる。
ひなたは優一と顔を見合わせる。ひなたは素早くググってみる。優一はスマホをいじるひなたに冷やかな目線を浴びせている。ひなたがスマホの液晶画面をみつめつぶやく。
「昭和三十三年だって。古~い!」
「宮内、お前なんでもすぐにググるのな。わからない時間、考える時間が人を成長させることもあるんだってことを覚えたほうがいいよ」
いままで、ひなたにそんなことを言ってくれたひとは誰もいなかった。ひなたは優一の言葉に感動していた。先輩、すごい。これは素敵なアドバイスだ。そうだ、なんでもすぐにググるのはきっとよくないんだ。自重しようとひなたは思った。もっと成長して先輩にふさわしい彼女にならなくちゃ! そう、すでにひなたは優一の彼女になると決めていたのだった。
ゆったりとしたテンポのいかにも昭和のイントロが流れると、期せずして会場のあちこちから手拍子が起こる。何故か撮影してる人もいる。
「♪好きでならない、ひとなれど~」
気持ちよさそうに熱唱する沢さんにあたたかい拍手と声援がとぶ。優一が苦笑いしながらつぶやく。
「村祭りのカラオケ大会かよ~」
UFO召喚と昭和三十年代の懐メロ歌謡。このあり得ない取り合わせの妙にひなたもどう対応していいかわかなかったけれど、どこか懐かしいこころが安らぐような穏やかな気分になっていた。
一方で相変わらず空を撮りまくってもいた。ひなたのとなりの大学生っぽいメガネをかけた若い男はiPhoneのバーストモードで撮りまくっていた。連続シャッター音が途切れることがなかった。他人事ながら、メモリーとバッテリーがもつのか心配になったくらいだ。
カオスだった。すべてが混とんとしていた。さらに宇宙フォークジャンボリーは続く。トリは鉄オタアイドル、笛木洋子が自分の曲を歌う。「駅が呼んでいる」という歌で合いの手で日本全国の主要な駅名が入る。ここで追っかけパワーが炸裂した。全国各地から終結した鉄オタアイドル、笛木洋子の追っかけの面々がサビの駅名のところで、声を合わせて駅名を連呼してる。
「いまから駅名をいいます。返してくれるとうれしいです! 今日は、東海道新幹線! 東京!」
後ろから野太い声の一団が返す。その中にはさっきのトークショーでアタッシュケースを持っていた彼ももちろん入っていた。
「東京!」
「品川」
「品川!」
「新横浜」
「新横浜!」
「小田原」
「小田原!」
「熱海」
「熱海!」
……。
おそるべきオタクパワーと呼ぶべきか。さっき歌い終わったかっぱオヤジが鉄オタアイドルの周りをローアングルの動画で撮影して回ってる。笑顔で応えて手を振る鉄オタアイドル。
「さぁ、みなさん。UFO撮れましたか? UFO写ってる人! まだいない? じゃあこのあと、UFOが来るように祈りましょう! ありがとうございました」
一人の女性が手を挙げた。海風が吹き抜ける屋上が騒然となった。
「なんか写ってますか? 沢さん、鑑定おねがいします!」
沢さんがその女性のスマホを確認している。MCのデコ芸人や今歌い終わったばかりの鉄オタアイドル、笛木洋子も、覗き込んでいる。女性の周りに人垣ができた。沢さんが目をしばたかせて言った。
「これはUFOですねぇ。太陽の下に明らかにレンズのケアレや反射ではないクラゲのような物体が映りこんでいますねぇ」
MCのデコ芸人が声を張り上げて宣言する。
「はいっ、認定でました~。今日の第一号」
「ちょ、ちょ、ちょっと待って。UFO認定はいいんだけど、それ以前にこのスマホ、液晶画面がバキバキにひび入ってますよ~。なんかそっちのほうが怖いんですけど!」
鉄オタアイドル、笛木洋子がみんなの笑いを誘う。
「あ~っ、ちょっと落としちゃってぇ。でも使えるんで割れたまま使ってます」
持ち主の女性が恐縮気味に答える。
みんなこれでスイッチが入ったのか、なお一層、空に向けてシャッター切りまくる。動画で撮影してる人もいる。先ほどのメガネの大学生は相変わらず、バーストモードで連写しまくっている。すでに何千枚にもなっているだろう。
結局、この日の成果は動画で三人、静止画で一人、UFOらしきものが確認された。瀬上優一も宮内ひなたもUFOを撮影することは叶わなかった。最後まで屋上にいた人たちはUFOコンダクター沢さんや鉄オタアイドル笛木洋子も入って記念撮影をした。撮影してくれたのは取材に来た東スポの記者さんだった。ひなたと優一は、沢さんの後ろでポーズをとった。お約束のゆんゆんゆん、きゅんきゅんきゅんと言いながら。
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