第72話午後の抑揚
定期テストまであと一週間くらいだ。
相変わらず平和な日々だが、家に食材がないのがたまにキズ。
昨日から両親が家を空けてる。
親父もお袋も終わりかけてるのか?
俺の女事情も最悪だもんな。
血は争えない。
希望があるとすればあの才女“五宮フレイユ”が第三の女になってくれるかだ。
まあ無理でしょう。
そう都合のいい話は転がってない。
そろそろ腹が減ってきた。
あと残金2000円。サバイバルだ。
文学部部長秋葉冬美は休みだが部室に来て本を整理している。
やっと片付けの終わりが見えてきそうだ。
一体何冊の本があるのか……数千冊はあるだろう。
今年度の文学部の予算は25万。
去年から5万も削られた。
まともに部活として成り立ってないので仕方がない。
昨日坂碧郎が部室の蔵書の綺麗目の本をBOOK OFFに売ったら3万にもなった。
まだ売る本はあるが、残したいのも多い。
冬美は本をこよなく愛していた。
生徒会の彼氏東郷院龍平は積極的に本を読むというタイプではない。
生徒会内部の話はしてないが、どうやら生徒会長中心に良からぬことをしているのは間違いないようだ。
西園寺霧風の独裁政権の前に対抗する人物がいない。
困ったものだ。
2021(R3)10/9(土)
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