第9篇RUNNING TO HEAVEN

土に還る事も分かってて

本当の事なんて

空気にもない事も分かってて

気が付いたら

独りぼっちで歩いてる


自虐的なナルシズム払いの

自意識過剰は

死への誘惑へと連動した

無意識的マザコンを

助長するだけで

何の足しにもならない


人のせいにすれば

一時的な心の納得がいくように

その場限りのエゴのレンズでしか

物事は見られない


言葉にする前に分かってるなら

なぜ前に出られないのだろう

夜更けの空の青の中に

ちらっと霞んだ希望は

そう簡単には得られない

形を持たない素敵な瞬間なのに


昨日を振り向く前に

想い出が頭をかすめ

手繰り寄せる前に

一日の疲労で

うやむやにしてしまう


歩く度に行き止まりで

また引返して

歩いては行き止まり

めんどくさいの虫が

とおせんぼ

とおせんぼ

とおせんぼ


………………


現実回避の遮断機が

上がるのを待てもせず

うつむかないこと

うそぶかないこと

あきらめないこと


1992(H4)10/26(月)

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