田吾作は140字の迷作の沼にはまって溺れている

満つる

① あたしと仕事、どっちが大事?

お題編 あたしと仕事、どっちが大事?



ボクは人生の分かれ道に立っていた。


 右に曲がれば会社への道、左に曲がれば彼女の自宅。




「ねぇ、関川君、ここでハッキリさせて。あたしと仕事、どっちが大事なのよ?」




 また無茶な二択を……答えはどっちも大事に決まってる。


 ちなみに真ん中にあるのは塀、行き止まりだ。




 時として女性は残酷な二択を突き付けてくる。




「もちろんキミに決まってるさ、でもね……」




「でも、はナシ。よく考えて答えてよね、返答次第じゃあたしにも考えがあるから」




 ボクが働くのはキミのためでもあるんだよ、という答えは門前払いらしい。




 彼女は腕組みして僕の答えを待っている。


 二の腕を指先でトントンしながら待っている。




「さぁ、関川君。仕事とあたし、どっちを選ぶの?」




 

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