第139話 けんたろうー!
「けんたろー! 見てー!!」
私は、何だっけ? ……そう、大仏様の背中から、校長先生と何やら話し込んでいるけんたろーに大声をだして、私を見ろと言っている。けんたろーはチラッとこちらを見たけど、なんかリアクション薄っ!
校長先生と話し中。
「けんたろー、さっきのあれは何よ! もう少し嬉しそうに手でも振り返せないものかしら?」
私は少し、高飛車キャラで、お昼のひと時、私の隣に座るけんたろーに大仏様での態度について意見を述べた。
「………………」
え? 無視?
私、ほんとに、え?って顔していたと思うの。
それは、私のお子様的な甘え方の流れで来るであろうリアクションを通り越して、けんたろーの顔色が悪くて、さっきまであんなに楽しそうに私を見て微笑んでいたのかは知らないけど、確かに楽しそうではあった、けんたろーの顔色が、真っ青で、血の気が引いていて、美味しそうなお弁当にも手を付けようともせずに、大げさでもなく、ほぼ毎日会っていたけんたろーが始めてみせる、どこか怯えたような表情に私は驚いて、全く呼吸以外止まっていそうな、身体だけがそこにあって、心はどこかに行ってしまったような、私の大好きな健太郎を見て、私は驚愕の表情を浮かべてしまっていた。
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