第88話 大好きな大切な友1

もうすでにサンダルを脱いで、波打ち際でバシャバシャ波と戯れて、手招きして、


「はやく~! はやくこ~い!」


あ~、これ、行かないと帰らない奴だな。

俺は、ため息をついて、意を決して2mの防波堤から飛び降りた。


「ぎょえーーー」


こえぇよ。暗いし。


「けんたろー、痛い、足。お姫様抱っこ!!」


海に足首までつかり靴擦れをわすれて突っ込んだ完ロリはその尻拭いを俺に求めて、さらにお姫様抱っこを要求してきやがった。


しょうがない、今夜は特別だぞ。


俺は三日月のうす暗い月明かりの中、靴が濡れるのも気にせず、リリィさんがいる浅い波打ち際まで入り、


「リリィさん、ハラショーして。そしたら、やってあげる。交換条件だ」


何の条件だ。俺はすっかりヤバい奴だ。


「………………」


あかん奴を見る目をして見つめる完ロリ12歳、見た目年齢20歳。

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