第64話 デート

「ねえ? 佐藤君。私達、デートしてる?」


「してない」


即答してやった。そんな人生を棒に振る様な事は出来ない。子供小学生と大人小学生が水族館で水の生き物を観察中だ。そこに男女の感情は無い。だから、共同自由研究だ。


「なんでよ! どっから見てもデート中にしか見えないじゃない!」


「全~然」


確かに完ロリは大人びて見えるので、長い栗色のウエーブヘアーとすらっとした160cmの身長は後ろから見たら完全に大人で、とても子供小学生には見えないので傍から見たら誤解を受けるかもしれないが、絶対、してません!


でも、そうだなぁ……俺には違和感が有った、少し……いや、だいぶ違和感があった。俺からみたリリィさん評と自分で言った、リリィさんが俺と初対面で言い放った自分評に違和感が……あった。


だって、全然、孤独を愛している様な、誰かと繋がりを持つことを望んでいないような、そんな子じゃないから……むしろ、どちらかと言えば、いいや絶対、人と繋がっている事が楽しいんじゃないかって。


あの日言った……所属欲が無いという自分評に……俺は違和感をずっと感じていた。


そうだな……見方を変えてみるか……

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