1集

第1曲 カノープスが落ちた夜

 この枠については「はじめに」で書くような前置きも不要だと思うので、もうさっそく紹介から行きます。


「カノープスが落ちた夜」 Summer Gratz

ジャンル:ボカロ、初音ミク 

URL【 https://www.youtube.com/watch?v=LHCLDBgDRkU 】

参考:里蘭花 さんver

   【 https://www.youtube.com/watch?v=Kath4dSnKsE 】


 近年、私の中ではボカロ勢力がやや減退している状態です。もちろんヨルシカであったり、YOASOBIであったり、ボカロとの関連が見出せるアーティストも多いですが、純ボカロ曲の勢力は決して大きくはない。

 


 そのなかで、久々にビビっときた純ボカロ曲がこの曲です。

 曲の構成はIn-A-B-S/A-B-S/C-S-Ou。(Sはサビ)。

 

 

 調べてみたところ、カノープスはすごく明るい星らしいです。太陽を除けばシリウスの次なのだとか。天下泰平の時にだけ見ることが出来る星だとも書いてありました。Wikipediaに。


①梗概

 おそらくは自己対話の曲です。十年後の自分へ手紙を書くとか、よくありますよね。私もやったような、やっていないような。

 大人になった自分というのは、どちらかというと子供時代の自分に顔向けできない存在のように描かれることが多いです。もちろん歌や小説にもよりますが。


 しかし、この曲の場合はそんな感じを醸し出しつつ、やや香りが違う感じがします。

 過去の自分を明るく感じながら、かといって今の自分を全否定するわけではない、というかできない。そんな感じでしょうか。


 あ、ちなみに百パーセント推測ですので悪しからず。


②「星が落ちる!」


 歌詞中にある「星が落ちる!」とはどういう意味でしょう。


 マイナスに取るなら「理想の失墜」でしょうか。夢に破れる事を、星が落ちるということが出来るかもしれません。カノープスが巨大な一等星であることを念頭に置くなら、その理想は大きく眩しいものだったとすべきでしょうね。


 一方、星が落ちたことを「流れた」と表現するなら、また意味が変わってきます。

実際、最後のサビの前、Cの部分では、「星が落ちる! 君は何を願うだろう」という歌詞もあります。エクスクラメーションマークも何やら示唆的です。

 曲のテイスト的に、「君」は過去の自分だと思われる。そう考えると、ここではプラスの意味で使われているとするのが妥当でしょうか。

 

「星が落ちる」

 今度これをタイトルにして小説書いても面白そうだと、思いました。


③過去の自分との対話 

 主人公の所に過去の自分から手紙が来たと、一番のBメロで示されています。主人公は、あの頃の自分を前に悲観しているようでもあり、けれど微かな連続を感じている……ように見える。

 歌詞中に三度出てくる「」の中の言葉を、手紙の中の言葉と捉えるか今の自分の言葉と捉えるかで解釈が大きく変わってきそうです。

 少なくともこの曲において、「昔の主人公」と「今の自分」は、対立する関係ではなさそうです。

 



 以上、雑にはなりますが、楽曲紹介でした。

 ○○進行が使われていて……とか、ここの音がこう利いてきて……とか、音楽的なことを言えればいいのですが、生憎そんな知識はありませんもので。申し訳ないです。

 ただ、爽快感、疾走感がすごい曲なので、ボカロが苦手でなければぜひどうぞ。

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