破れた靴下を履くな!

 だらしのない姿はあまり見せたくないものだが、意図せずして目撃されてしまう事はままある。



「下妻氏ー何故ー何故にー破れた靴下をつかっているーみっともないからー穴が空いたら捨てろーあれほど言ったのにも関わらずー何故ー何故にー」


 バレたか。めんどくせぇ。いいじゃん靴下くらい。誰に見せるわけでもないんだから。


「ごめん気付かなかった」


「嘘をつけー下妻氏は絶対気がつくーそういう人間ー些細な事が目に止まる典型的A型ー私は騙されないぞー」


 いかん読まれている。どうしてそんな事ばかり察しがいいのだ。宝くじは当たらないくせに。


「いやぁめんどくさくって」


「そういう些細なところからズボラになっていくー十年後はヨレヨレのTシャツを着る事になるーその横に並ぶ私の姿をを是非とも考えていただきたくー存じ上げるー」


「分かった分かった。捨てる捨てる」


「分かったも捨てるも一回でいー適当さ加減を出すなー殺すぞ」


「……すみません」


「見えないところの身嗜みが寛容ー努努忘れるなー」


「はい」




 言っている事は分からんでもないが、部屋の中を年中下着で過ごす女には言われたくない。







 本日のQ&A


 Q.破れた靴下を履くのはあり? なし?


 A.幻滅されていいなら履いてればいいんじゃないかな。

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