黒山猫はいつ輝く
雨降空(アマブリ クウ)
子猫
出会った日
いたい。
あついものがでてる。
あしがいたい。あつい。あかい。
てつのあじがする。
どうしよう。なおるかな。
うごくといたい。じっとする。
「あ、猫。」
人間のこえだ。あぶない。
みつかったらだめ。
またつかまる。つかまっちゃだめ。
くるなくるなくるな。
「近づいても逃げないね。撫でても大丈夫?」
人間のてだ。だめだ。
さわられるとあぶない。
どこかいけ。ちかづけるな。
「痛っ。……機嫌悪かった?ごめんごめん。」
はやくどこかへいけ。いかくする。
こんどはかむ。
「あ、待って。足どうしたの?血出てるよ。怪我したの?」
しらないしらない。はやくどこかへいけ。
「痛っ。痛い痛い。」
どこかへいけ。てつのあじがする。
「噛まないで噛まないで。手当したらすぐに離れるから。」
どこへもいかない。いたい。
いたいところをさわる。いやなやつ。
にげなきゃ。
「傷口洗ったらあとは薬塗って包帯巻くだけだから。すぐに終わるから。」
!!!!!!!いたい!!
じんじんする!!いたい!!
へんなものつけられた!!いたい!!!
「ごめんごめんごめん。痛いのはわかるけど、明日には治るからがまんして。」
にげなきゃ。にげなきゃ!!
でもにげられない!!
「ほら、包帯もう巻き終わるよ。大丈夫大丈夫。もう終わるよ。」
!!なにかついてる!!
とれない!!とれない!!
「いやなことしてごめんね。もうはなれるからさ。あ、お詫びに明日ここに何かもってくるよ。じゃあね。」
にげられた!!
にげられた!!!!!
いたい!
じんじんする!!へんなのついてる!!!
いやだ!!こわい!!!
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