堀江敏幸

堀江敏幸「回送電車Ⅲアイロンと朝の詩人」読了

 堀江敏幸さんは、文章の前段で使った言葉を、後段の別の話題で使うことが多い。

 普通の人がやると、わざとらしさを感じて嫌なのだが、堀江さんなら許せるから不思議だ。


『向こうの水が合わなければすぐに帰ってきなさい、わたくしも、留学したはいいけれど、なんにもすることがなくて、すぐに戻ってきた口ですから』

 堀江さんが指導教官に言われた言葉だが、まわりに頑張れという人しかいないのは不幸である。

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