通学路
「フフフ。じゃあ一緒に帰ろっか。いや~実は○○君と喋りたいことたくさんあったんだよね」
微笑む彼女の姿は一枚の絵になる。それこそ美術館に飾ってあっても違和感がない程に美しかった。
なんなら今すぐにでもこの写真を撮って拡大印刷して部屋の壁に貼り付けたいくらいだ。
「ぼ、僕も喋りたいこといっぱいありゅます」
柄にもなく少し緊張して噛んでしまった。しかも二度も恥ずかしい。
「フフフ、ハハハ、珍しいね○○君が噛み噛みするなんて。どうしたの私と一緒に帰ることに緊張でもしてるの?」
・・・・・・・・・
少しの沈黙が流れる。
「はい。少し」
「そうか。嬉しい事言ってくれるね。そんなこと言われたら少し意地悪したくなっちゃうな」
何となくいや確実に今日の彼女はいつもと違って少し小悪魔感が強い。
普段は無口な彼女が僕の前では、まるで本当の姿を見せているような感じがする。それだけ僕に心を許してくれたのかな。
ああ、ヤバい、嬉しすぎる。心臓がいつもより早く脈を打ってるのが分かる。
「いいですよ。少しくらいなら意地悪しても」
「もう。○○君ったら冗談だってば。あ、それよりも早く行かなきゃバスの時間が来ちゃうよ。少し急がなきゃ」
彼女は靴を履き替えて、玄関に向かって歩き出す。
僕は彼女の生足に少し見惚れつつも、ロッカーを閉めて、その後ろ姿を追いかけて横に並ぶ。
「そうですね。急ぎましょうか」
二人で一緒に玄関を出た。
おそらくその姿はカップルそのものだっただろう。
「ねえ。○○君っていつも自転車通学なんだよね?」
「はい」
「それって凄くない。○○君の家からこの学校までどれくらい距離あるの?」
「えっと多分10キロくらい?」
「10キロ、え?10キロもあるの。それは凄いね。片道10キロってことは平日は毎日20キロも自転車を漕いでいるということ」
「まあ、そうだね」
「あれ?しかもここって地形的に坂がかなり多いよね?」
「うん。ここに来るまでに6つ程坂があるよ」
「6つも、え?あ、でも確かにそれだけあるね。うわ~凄い凄い。流石○○君だね」
「まあね」
「え?じゃあ筋肉とか凄いんじゃない?」
「おかげさまで足の筋肉はかなりバキバキだよ」
なお、基本的に夏も冬も学校指定の長ズボンを履いているので足の筋肉は見えていない。
後お腹はいつもお腹に力を込めているからか、せいか、しっかりシックスパックに割れている。いわゆる脱いだらすごいってやつだ。まあ、僕みたいな男の場合は誰得だな。
「うわ~凄い。見てみたい」
見てみたい・・・だと。
そうなると俺は彼女の前で服を脱ぐということか?それは何というか興奮してしまうじゃないか。
「じゃあ。今日写真でも送るよ」
「え~~~。写真、写真じゃなくて生でみたいな。あ、そうだ、ねえねえせっかくだし触ってもいい?」
生、触ってもいい。駄目だ俺の思考が汚れている。そっちの方面で捉えてしまう。でもこんな素晴らしいチャンス断るわけがないな。
「分かった。いいよ。好きに触ってくれ」
僕はそう言って足に力を入れる。
「じゃあ、遠慮なく」
彼女は一切の遠慮なく。その細くて白くて傷一つない可愛いらしい手で僕の足に触れる。
「うわ~凄い。カチカチだね」
彼女が少ししゃがんで僕のふくらはぎの方から順に這うように触ってく。
何というか凄くエロい。
「うお。ここの部分凄い硬い。何というか筋肉が詰まってる。超詰まってる。うわ超凄い。カチカチだ。うわ。うわ~~~。凄い」
僕の大腿二頭筋辺りを気に入ったのが凄くナデナデしてくる。
僕のリトル僕がちょっとエキサイティングしてきた。
「あ、ここも凄いカチカチ、筋肉が詰まってるというか引き締まってる」
そう言って彼女は撫でだしたのは僕のお尻の当たる部分だった。
確かに坂を登るときに力を込めるからお尻の筋肉も鍛えられてるけど、ちょっと。そこは流石に不味いんじゃないか?いやまあいいんだけど。僕としては願ったり叶ったりだけど。
「うわ~。凄いねって、あ。ここお尻・・・」
彼女の顔が漫画みたいに赤くなる。
「僕は全然気にしてないよ。むしろご褒美くらいだ」
ヤベエ、自分でもとんでもないこと口走ってしまったな。これはもしかしなくても嫌われるんじゃないか?
「ふ~ん。そうだな。そっかご褒美か。フフフ。ハハハ。私にナデナデされるのがそんなに気持ちよかったんだ○○君」
「まあ。そうだな。その通りだ。だからもっとナデナデしてくれ」
いっそのこと開き直ってそう堂々と言い切る。
「ふぇ、えっと。その、そうなんだ」
俺の返しが予想外だったのが、てんぱる彼女。
可愛い。凄く可愛い。
このてんぱってる状態の所を抱きしめてむしろ俺がナデナデしたい。
「ああ。だから、ナデナデしてくれ」
彼女をナデナデしたいという欲求を何とか抑えつつ、そう言ってナデナデの催促を行う。
我ながら少々どうにかしてる気がする。
「わ。分かった。じゃあ頭を出して」
俺は跪いて彼女の方に頭を向ける。
「えっと、ナデナデ、ナデナデ」
俺の頭を彼女の細く柔らかい、可愛らしい手が右往左往する。
うん。これは何というか素晴らしい。
「どうかな?○○君」
「最高だよ。ああ、もう本当に」
俺は自分の感情をありのままに告げた。
「そうか。それは良かったって、あ、バズ遅刻しちゃう。急がなきゃ」
「そうだね。急ごうか。あ、じゃあ荷物持つよ」
「え。いいの?」
「もちろんだよ。それくらいはするよ。男だしね」
「フフフ。ありがとう。○○君、じゃあお言葉に甘えまして」
かくして俺は彼女の荷物を持って、彼女と一緒にバス停まで走って向かうのだった。
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