第三 季節は行きつ戻りつ

  季節は行きつ戻りつ



季節は行きつ戻りつ


卯の花もさかりを越し氣味に

いよいよ初夏はつなつに手がかかつたと思つた所


思ひがけず

したたか冷えわたつた今朝


さてもさても白斗文しろだもです


何と云ふても 破れ傘の閉ぢ傘


さうして いよいよ

鼠色に靑ざめてゐる


全く

ぺらぺらと靑ざめてゐる

あまつさたしかに震へてもゐる


傘を開けぬ事情はなかなかに察すれど


さてさて

郁子むべの傘よりもよつぽど靑ざめてゐるらしい

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