夏の音

 君が誘ってくれた花火大会。

 空を見上げ「綺麗だね」と呟く君の横顔は今まで見たどの花火よりも綺麗だった。

 けどそんなことを告げる勇気もなく時間だけが過ぎていく。

 花火大会のラスト、このまま君と離れたくなくてなけなしの勇気を振り絞って言った「好きだ」という一言を空に響く夏の音がかき消した。

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