音という宝物
それは綺麗な楽器だった。
ほっそりとした胴に結晶の駒。
弦は梳られた天馬のたてがみ。
あなたの長い指がそれを弾いた。
けれど音はなかった。
魂が必要だ。
持ち主が愛を囁いて初めて目を覚ます。
僕らに心を教えてくれないか?
私は頷き、楽器にあなたに口付けた。
さあ、世界を震わす音を一緒に作りだそう。
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