花咲く季節の宝物

岬からの風に目を閉じた。

頬を撫で耳をくすぐり髪を優しく梳いて。

温かな手を、指を、声を思い出す。

荒野を埋め尽くす甘い吐息のような花たち。

岩盤に触れれば遥か遠く蹄の音が聞こえた。

巡りきた祝福の季節の中に蘇る一頁。

尊きものとは何かを私は知っている。

奇跡のような出会いは今日も色褪せない。

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