美しき世界の物語

それは誕生日の贈り物。

投げ出された四肢の先には鉤爪。

尻尾へと続くのは稜線のごとき背びれ。

白い腹にはオパールみたいにゆらゆらと光漂う。

空気を食べて冷気をうむ、

霧も樹氷も作り放題だ。

さあ、目が開く。

そう言うと彼は私にキスした。

北極の風みたいな唇。

世界には未だ知らないことが満ちている。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る