化け物バックパッカーOMNIBUS
オロボ46
序章
「コンナ姿デモ、問題ナイサ」
「問題あるだろう。俺は平気だが、“突然変異症’’で変化したその姿を他人に見られてみろ、あっという間に大騒ぎになるぞ」
「“
――戸﨑亨様主催 週刊カクヨムコンテスト――
「なんだそれは、ハロウィーンの余り物か?」
「確カニソノ使イ方モデキルガ、モット有効的ナ効果ガアル。着テミロ」
「……ただの中から外の様子が見えるローブじゃないか。不思議と暑くないが」
「モットフードヲ深ク被リタマエ。ホラ、姿ノホトンドヲ隠セテイルゾ」
「……余計怪しいだろ、これ」
「ワガママイウナヨ、姿ヲ隠スニハソノ形ガ一番ナンダゼ」
「そういうものか? それはいいとして、これを俺に渡してどうするんだ」
――長編の総集編やリメイク。あるいは新エピソード部門用作品――
「ナア坂春、コレヲ見知ラヌ“変異体”ニ与エテクレ。ソシテ1日ダケ一緒ニ付キ添ッテ、使イ心地ヲ聞イテキテクレナイカ」
「……報酬は?」
「友人ノオツカイニ金ヲカケルナラ、研究所ノ設備ニ使イタイ」
「変異体を探してローブを渡すことがおつかいか……」
「ソウジメジメスルナヨ。ソンナ暗クジメジメシタ見方ヲ変エルチャンスカモシレナイゾ?」
――presented by オロボ46――
ここは、地球とそっくりに創造された星。
地球と似た建物、地形、自然、人々が存在する星。
人間に見つからないように暮らす“変異体”が存在する星。
世界に対して独自の考えを持つ、人間と変異体が存在する星。
バックパックを背負う人間の老人と、変異体の少女が旅をする星。
地球とそっくりに作られた星を、今日も彼らは旅をする。
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