第13話 第二の事件! 幹部襲来!
◾凛
わたしとジョーカーは秋葉原でイベント対象店を巡ったり様々なサブカルグッズを購入しました。
正直尚子さんの言っていたことは現実離れし過ぎてて真に受けられません。
気にして生活するのは嫌なのでいつも通り過ごすことにしました。
わたしに関してはジョーカーの付き添いですが、ジョーカーはサブカルにかなり没入しており家でもよくアニメを見たりマンガやラノベを読んだりしています。
隆臣もサブカルが大好きなので2人でよく語り合っています。
2022年のAI革命以来、日本はアメリカに次ぐAI大国となりました。
乗用車の完全自動運転化や声のトーンや表情、仕草からその人の感情を読み取る自然言語処理装置、数百億の感情サンプルから作り出された超高度なヒューマノイド――ヒュービリオンなどが今までに開発されてきました。
東京湾上にコンパクトシティーを含む巨大な人工島――マリーン・エデンが『AIと住む街・20年先の未来へようこそ』というキャッチコピーを掲げ、今年の海の日……つまり2030年7月15日にオープンすることになっています。水素発電所や魔力発電所、国立緑地公園やシンボルタワー、他には東京モノレールマリーンエデンラインなど様々な施設が盛り込まれるらしいです。
さて、話を戻しましょう。
けっこう歩き回って疲れてしまったわたしとジョーカーは千代田区指定有形文化財にもなっていて、神田明神の隣の宮本公園内にある遠藤家・井政に訪れていました。
最初は神田明神の横にあっていつもお世話になっている天野屋に行こうと思ったのだが、この前の火事で神田明神自体が休業しているので、それに合わせて天野屋も休みとなっています。
なので前々から気になっていたここに訪れたというわけです。
遠藤家は江戸城築城のために神奈川県の材木座からやってきた材木商で、そのときの住居が神田にあったため現在は神田の家とも呼ばれているらしいです。
この建物の一部はカフェ井政として解放しており、立ち寄って休憩することができます。
木造二階建ての建物で、高層ビルが乱立する東京では数少ない歴史を感じるスポットの1つとなっており、春は桜の桃色がキレイで、夏は草木の緑や花々のカラフルさがとても美しいです。
外観は言葉では言い表せられないようなイイ雰囲気をまとっていて、店内もキレイでザ・和という感じです。
運良く並ぶことなくわたしたちは向かい合わせで着席することができました。
メニューは、レモネード、ジャスミンティー、紅茶、抹茶、コーヒー、ノンカフェインコーヒー、ミントティー、ロイボスティー、カモミールティー、各種スイーツセットと多いわけではありません。
わたしはレモネードを、ジョーカーは紅茶をそれぞれスイーツセットで注文しました。
しばらく経って目の前にドリンクとキャロットケーキが運ばれてきました。
「わぁ、おいしそうだね〜」
「うん、とっても」
わたしとジョーカーはスマホを取り出し、あとでインスタに投稿するために
さてさて、ではレモネードからいただきましょう!
わたしはレモネードだいすきさんなのでレモネードにはうるさいんですよ。
まずは匂いを楽しみます。
くんくん……ふわぁ〜レモンの爽やかないい香りがしますっ! 咽頭から鼻腔にかけて幸せが拡大中です。
続いて一口口に含みます。くぅ〜! 甘酸っぱくてすっごくおいしいよぅ! やっぱりお店で飲むレモネードは一味違いますね!
ごくごく……うん! やっぱりわたしはレモネードがだいすきですっ!
ではキャロットケーキをいただきましょう。フォークで食べやすい大きさにカットして小さい三角キャロットケーキを口に運びます。
「はわわ! これおいしいね〜」
「あむ……ん、おいしいわね。とっても」
いざ食べてみると案の定おいしかったです。控えめな甘さで素朴な感じなのでレモネードとかなり相性がいいですね。
完食すると私たちはそれぞれキャッシュレスで会計を済ませ、店を後にしました。
大変美味しかったです! 星3つですっ!
その後、わたしとジョーカーは神田明神の方をちらっと見ましたが、特に異常はなかったし、
「なぁ〜んだ! やっぱり尚子さんの話は嘘なんだよ」
「そりゃそうよ。あんなやつの言うことは信じられないわ」
わたしが髪の毛をくるくる弄びながら言うと、ジョーカーもやれやれといった感じで答えました。
きのうは尚子さんに
……と思っていられたのはたったの一瞬でした。
前方から何かが飛んできたのです! ものすごいスピードで!
ソレはほっぺをかすって背後の木の幹に突き刺さりました。巨大なつららです!
「……みつけたよ」
少女の霧雨のようなやさしい声が聞こえてきました。
「ああ、こいつらだな。まさかこんなに堂々と現れるとは」
目の前にはスーツ姿のサラリーマンさんが立っていました。高身長で優しそうな面立ちをしています。ハンサムさんです。
男の人の背後にはわたしたちと同じくらいの背丈の少女が悠々と浮かんでこちらを俯瞰していました。
空のように澄んだ水色の髪の毛と南国の海のような透き通った青色の瞳がきれいで美しいお人形さんみたいなガイストでした。
To be continued!⇒
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