第191話 混沌の勢力のディフェンスライン

混沌の勢力は代表騎士団の守備を崩せずにいる。

攻撃を行うためには、密に連携を取らなければならない。

そうなるとスペースを開ける訳にはいかず、ディフェンダー達も代表騎士団の陣地に侵入する事になる。

ソフィアは奪ったボールを右サイドにできた大きなスペースに蹴りだす。

ダフはすでに走っている。センターバックのオウガが叫ぶ。

「ゴールキーパーに任せておけ。シュートは完全に防ぐ。」

「ぐぉぉー」

オウガは雄叫びを上げて、全ての手を大きく開ける。

後方から泰朝が走ってきているが間に合わない。

ダフはヘカトンケイルの長い脚の間を狙って、シュートを放つ。

ヘカトンケイルのゴールキーパーは即座に足を閉じる。

そして、跳ね上がったボールを右肩に生えた頭がボールを発見し、右肩の頭が操る手でボールを確実に受け止めた。

狙い通りだった。

代表騎士団は右サイドからしか攻撃しない。

そして、ヘカトンケイルのゴールキーパーを効力する方法を持っていない。

これが確実に混沌勢力にしみこんでいくのだった。

そして、中盤での激しいボールの奪い合いで時間は過ぎていく。

混沌の勢力は傲慢と言えるほど焦っていなかった。

ヘカトンケイルのゴールキーパーが取れないボールは無いのだ。

その油断を最大限利用する。それが信治狙いだった。

                                続く

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