第4話 タクシーが、つかまらない

タクシーで帰ろうとしたけど

なかなか つかまらない…。

電話でタクシーを呼ぼうとした時、

目の前に1台の車が停まり

婚約者の史人ふみと

降りてきて こっちに歩いてきた。


「やっぱり ことだった。

何してんだ?こんなところで?」


「あっ!ふみくん…実は…体中痛くて

歩くのもやっとで…整形外科の帰りなんだけど…タクシーがつかまらなくて…」


「派手に転んだんだな(笑)」


「自分で転んではないんだ…。

実は…昨日…花園はなぞのとおりで、人がぶつかってきて

転んだの。その時は、たいしたこともないと思って、連絡先も聞いてない。でも、今朝から痛くてアザもできてたんだ。」


「そうなのか!笑って悪かったな…

俺、送っていくわ。おんぶして。」


「ありがとう。ごめんね。」


そう言うと、ことは史人ふみとの背中におんぶした。


車のドアをあけて優しく

ことを助手席に乗せた後

シートベルトを、しめてくれた。

史人ふみとは運転席に乗りこんで

その場をあとにした。


「しかし…災難だったな…」


「うん…ブルームのもりがぶつかってきたの。隣にはたにもいた。昨日、ぶつかった時に免許証を、落としたから、今朝ぶつかった場所を、探しにいったらもりたにがいて免許は返してもらったけど…怪我の有無は聞かれなかったの…」


「え!!そうなのか?俺の友達…

ブルームの事務所の社長なんだけど…

連絡してみるわ。悪いけど…そこの

スマホの電話帳にみなみってあるから電話かけてくれるか?ハンズフリーだから俺、話せるから」


「うん…でも史人ふみと

迷惑かけちゃうな…」


「俺は迷惑だとは思っていない。

結婚するんだから…頼ってもいいんだよ。」


「うん…ありがとう。じや かけるね。」


プルルルル~ 


「はい。みなみです。

お~ 秋山あきやまどうした?」


「忙しいところ悪いな…。

実はな…昨日、俺の彼女がブルームの

もりに歩いてる時に、ぶつかってこられて転んで体中痛めて

アザも、できてるんだ。その時、

たにもいたんだって。」


「え!!今度、結婚する彼女さんだよな!それは申し訳ないことをしたな。昨日は少し遅れてもりたにが現場に来たんだけど…

そんなこと言ってなかったし

平然と仕事してたぞ!」

「とんでもないことをしてしまったな。彼女さんいるのか?」


「さっきさ 偶然見かけて

家に送って行くとこなんだよ。」


「そうか…彼女さん、初めまして。

みなみと言います。昨日はうちのもりと、たにがとんでもないことをしてしまい申し訳ありませんでした。厳しくいっておくと、ともに処分を考えます。病院等の領収書があれば秋山あきやまに渡して下さい。明日、仕事で会うので。本当に申し訳ございませんでした。お大事にして下さい。」


みなみ悪い…明日、会社は部下に任せて俺は休むから…彼女が動くのも辛そうだし、世話するから。

彼女を送ってから、この後、行くから。」


「そうか…分かった。待ってるな。

本当に、申し訳なかったな。」


「じや あとでな」


電話を切った。

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