第58話 大幅下落の今こそ相場を見よ

 日経平均株価が一時2500円安をつけるなど波乱含みな相場です。


 そして今こそ、リアルタイムで株価の推移を見守るべきときです。

 下落相場ではどのように株価が下がっていくのか。

 これをしっかりと体得できないと、相場を見て危機感を覚える能力が鍛えられません。

 今持ち株が含み損の方でも、つらくても相場を見続けること。

 絶対に目を背けてはなりません。

 見続けるのです。


 含み損を抱えていると冷静に相場を見ていられないでしょうが、反転上昇するには円高ドル安が一服することと、アメリカの株式指標の改善が必須です。


 円高ドル安が続くと、海外投資家は今まで円安で割安だった日本企業の株式で含み損が拡大するため、大慌てで売り浴びせに来ます。

 今はAIやアルゴリズムでのトレードが主体なので、落ちるときは一気に落ちます。

 このAIやアルゴリズムでのトレードを相手にするためには、いったん下り始めたら即「損切り」できるかどうかです。

 もしまだ含み益がある状態なら、いったん売って株価が底を打って反転してくるまで手ぶらで待つのもいいですね。


 本「備忘録」では「含み損になったら即損切り」を提唱していますので、まさか売り逃したりはしていないでしょう。

 きちんと「上昇を想定して買い」に入ったのなら、買ったのに下がったら「シナリオが崩れた」わけですから株価が下がった時点即「損切り」するのが株式市場で生き残る絶対のサバイバル術です。


 「上がると思って買ったら下がった」なら「損切り」。


 ある程度の損失を覚悟したうえで値上がり幅を大きくしたい場合でも、買値を下回ったら「損切り」をしたほうがパフォーマンスはよくなります。

 とくに今回の続落のように「どこに底があるかわからない」のであれば、その株式を持っている意味がありません。

 下がった株が戻るのを待つより、「下がったら即売って反発したときに買い戻す」ほうが利益は出せます。


 だから、続落相場はしっかりと株価の流れを見守って、その値動きを体験しなければなりません。

 絶対に目を背けないこと。


 メンタルがつらい人は、反発を待つよりすべて売却しましょう。

 そうすればそれ以上メンタルをやられることはありませんからね。


 これは私の予想ですが、ドル円は140円くらいまではいくと思います。

 私が株式取引に復帰する条件は、(1)ドル円130円台、(2)株価2万6000円台、(3)中国不動産バブルが確実に弾けてチャイナショックが終わる、の3つです。


 (1)はなかなかに厳しい設定ですが、GDPから見た場合の「円の実力」を考えれば130円台が相応です。

 (2)はドル円が130円台まで落ちれば自動的に株価はこんなものになります。

 (3)は中国習近平政権が債務不履行(デフォルト)を起こした不動産を倒産させないよう指示を出しているので、これも厳しいかもしれません。清算させないかぎり損失は確定せず、企業はそれだけ延命できるからです。だから習近平主席は絶対に破綻している不動産業を精算させません。ただ、それだと経済が回らなくなりますから、GDPの伸び率が鈍化しマイナス成長となったら清算に動く可能性もあります。



 ということて、今はつらい状況ですが、含み損はいったん確定して、反転したところを拾いましょう。「落ちているナイフは掴まない」ことです。

 反転を見極めるためにも、相場を見続けてください。

 今はつらくても、将来必ず役に立ちますよ。



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